【インタビュー】全ての思い込みを外して、自分にとっての幸せが何かを研究していきたい(2/2ページ)
しばはし聡子
2019/04/02
■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。
公正証書で決めた以上のことをしてくれたら、何でも嬉しいです。なかなか来られないですが、来たときは最大限に一緒に楽しもうと、色々手配してくれたりするのも嬉しいです。釣りなど、私だけではできないことをしてくれるのも助かりますね。適切な距離感になって、必要以上に構って来ないでくれることもありがたいです。
ただ、別居や離婚を経験したパパママが集う「りむすびコミュニティ」で他の元ご夫婦の共同養育の様子を聞くと、近くに住んでいて、預かってくれたり、何か買ってくれたりしている方もいらっしゃるようで、それはもっといいなと思います。
■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。
メリットがあるかという質問もちょっと変な気がするのです。メリットがあるから選ぶ斬新な選択肢ではなくて、親がどんな関係でも、共同養育することは前提に思えます。
なので、私にとっては、一般的な家族像をやめて、離れて平和かつ自由に暮らすメリットと、他人の常識や法律に縛られないメリットがある、ということですかね。義務的な儀式も作業もなく、甘えで関係を腐らせることもなく、相手のせいにすることもできません。それにより、自分が自分の機嫌の責任者であるということがわかるようになりました。
子どもについてですが、お父さんは大阪にいるとしか思っていませんし、我慢とイライラの家庭で育てられるより、子どもにとってずっといい環境にすることができたと思っています。
これは後でわかったことですが、自分も、子どもも、相手方も、究極的には自分なので、自分のために共同養育した方がいいです。それが、今はわかるようになり、本当に良かったです。
■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。
この状態に慣れきってしまって、なぁなぁにならないように気を付けています。そんなときは、自分たちはもう何の義務もない他人であり、全てボランタリーであるということを思い出すようにしています。やってもらって当たり前のことなど、一つもないということを思い出します。
逆に、なぁなぁになられているなと感じた時に、どう修繕するかは気を遣うところですね。それを指摘するとしても、相手は自分なので、自分がされたい態度で、相手に接するということを意識しています。
■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。
これからは無理して一般像に合わせることなく、自分で自分を幸せにして、溢れた愛で、なんの境界もなく、周りの人を愛していたいです。そうすれば、誰だってみんな家族です。
そして、全ての思い込みを外して、自分にとっての幸せが何かを、今後も研究していきたいです。結婚して同居することも、就職して賃金をもらうことも、別に無理にやらなくても大丈夫なのだとわかりつつあります。
この世界の原則さえ外さなければ。そのことがわからなくて、ずっとずっと苦しんでいたので、同じように悩んでいる人と、一緒に研究して世界の真理を探していきたいです。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️