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実録/元夫が亡くなったとき元妻として母親として揺れ動く気持ち(2/2ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2019/03/05

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■子どもの気持ちを受け止めきれるか悩む母親

お母さんはお子さんを病院へ連れて行くことを悩まれていました。子どもが受けるショックを受け止めきれるのかと。

ただ、子どもが実の父親が亡くなったことをきちんと理解した時に、後悔させてはいけないという思いで、子どもの不安を全部受け止める覚悟で、亡くなる前日、当日、お通夜、告別式すべてお子さんを連れて行かれました。そして、お子さんの前で気丈に振る舞われていました。

お父さん側のご親族の方々も丁重な対応を取られていらっしゃいました。

■元妻としての本音

告別式の時にお母さんはおっしゃっていたこと。

「ごめんねって最初に言ってくれて争わないでくれていたら、別れるつもりなんてなかったのに……」と。

心底憎んでいたわけではなく、係争中にどんどん気持ちがかけ違って悪化してしまったと。お父さん側も同じ思いだったように伺えます。そして、元気でいることを前提でいたけれど、こんなことになるのであればもっと父子の交流をするべきだったと。

お母さんはこう語ります。

「なんでもっと早く、体調が悪いことを言ってくれなかったんだろう」と。

この問いに対して、お父さんはきっと、「元気になるから大丈夫!」という気持ちと、「体調が悪いことを伝えたら、子どもと会うことを治るまで延期されてしまうのではないか」という不安が混在していたのかもしれません。

■まとめ

実の父親、母親は子どもにとってたった一人。いくら夫婦がこじれたとしても、子どもと親の縁を勝手に片親が切ることはあってはならないことです。

元夫と一切連絡をとらないと、万が一亡くなっていてもわかりません。仮にわかったとしても、子どもに伝えないでいると、子どもは父親との別れが曖昧なまま育つことになります。

そのようなことのないように、夫婦の感情と親子関係は切り離すことの大切さ、そして、離婚しても親としての関係は続くのですから最低限でも連絡が取れる関係であること、関係を悪化させないために争わないことの大切です。

これからもお父さんは亡くなられても、お子さんにとっての大切なお父さんであることは変わりません。あらためましてご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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