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驚きの逸品が、まるでご褒美のような価格で!

ファン垂涎の陶製フィギュアを発掘! ブダペストの「蚤の市」でアンティークなお宝探し(2)(2/2ページ)

パップ英子パップ英子

2016/09/11

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中国の青磁や青花風のテーブルウェアはヨーロッパ全土で人気


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

写真に映る青や赤のティーカップやソーサーの数々をご覧ください。チャイナ風の模様がとても美しいですよね。これらのテーブルウェアは、陶器産業で有名なイギリス中西部のスタッフォードシャー州で多く製造された陶器ブランドの品々です。

転写されたその模様や器自体のデザインからリサーチを続けると、イギリスの「ADAMS(アダムス社)」のティーカップであることがわかりました。アダムス社は、18世紀にウィリアム・アダムスという人物が設立し、イギリス中西部の窯業の町スタッフォードシャー・バースレムで創業しています。

アダムス社は創業者の死後も息子たちに引き継がれ、現在はイギリスの名釜ウエッジウッド社(ウエッジウッドもバースレムが発祥の地で同郷に当たります)となりましたが、それ以前は英国を代表する名窯のひとつでした。

蚤の市で見かけるこのようなチャイナ風のディナーウェアは、イギリスのアダムス社や、また、現在はウェッジウッドグループの傘下となっている「Johnson Brothers(ジョナサン・ブラザース)」というブランドの製品が多いようです。

ハンガリーに限らず、ヨーロッパやアラブ諸国の人々は昔から、中国独自の青磁や青花、藍色彩色が美しい陶磁器に強い憧れを持っています。

ヨーロッパの磁器でも最高峰と謳われるドイツ・マイセンの食器や、また、ハンガリーが世界に誇る陶器ブランドであるヘレンドのシリーズにも、中国の陶磁器の影響を強く受けた作品が数多くあります。ヘレンドについては当コラムで以前、お伝えしましたので、よければそちらの記事もご覧ください。

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人気のポーセラーツとハンガリーが誇る「ヘレンド」のインテリア活用術


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

蚤の市全体の感想として、この会場内に出店しているブースのほとんどに、ポーセラン(陶器)の食器やフォークやスプーンなど、銀製のカトラリーがズラリとそろっていたことです。

写真の中央に映るの美しいバラ柄のエッグスタンドをご覧ください。この花柄はもしやヘレンド製かと思いましたが、実はルーマニア製のエッグスタンドでした。ゴールドの部分を空けると、ジュエリーボックスの仕様となっているそうです。

日本でエッグスタンドを使うお宅はまだまだ少ないように思われますが、ヨーロッパの食卓(ハンガリーももちろん)には、だいたいエッグスタンドがあります。ちなみに、卵はハンガリー語で“トヤーシュ(tojás)”です。

名釜の逸品も気軽に買える、蚤の市のありがたさ

小花や植物の絵柄が可愛らしい、ヘレンド製のボンボニエール。すでにご存知かもしれませんが、ボンボニエールとはフランス語でボンボンと呼ばれる、小さな砂糖菓子を入れる器のことです。

写真真上にある緑の葉っぱのような絵柄のボンボニエールは、ヘレンドのパセリグリーンという、とっても愛嬌のあるシリーズのものです。

今回、筆者はこのヘレンドの小さなボンボニエールを、日本円にしてわずか2,000円弱でゲットすることができました。ミニサイズとはいえ本物のヘレンド製のため、さすがに砂糖菓子を入れる気にはなれず、現在はジュエリーボックスとして愛用しています。

“お宝”が発見できて、なおかつ、まるでご褒美のようなプライスでゲットできるのが、蚤の市の最大の魅力ですよね。

今回、筆者はこの蚤の市レポートを執筆しているうちに、特にアンティーク・フィギュアの世界について、その奥深さを少しだけ理解することができました。次回、このブダペストで蚤の市を訪れる際は、もっとアンティーク・フィギュアについて、事前にその知識をさらに深めてから足を運んでみたいと思います。

ドナウの真珠“ブダペスト”からお届けする当コラム、次回もどうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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