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荘厳なるブダ王宮の魅力

世界遺産都市、ブダペストを巡る(1)(2/2ページ)

パップ英子パップ英子

2016/05/08

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ハンガリー建国の祖を導いた伝説の鳥「トゥルル」

丘を登ると、最初にブダ王宮の大きな門、庭園への入り口が見えてきました。写真真ん中に、鷹のように大きな鳥の像が建っているのが見えますよね。この鳥は“トゥルル”と呼ばれ、ハンガリー建国の礎を築いた族長“アールバード”と6人の部族長をハンガリーに導いたといわれる伝説の鳥なのだそうです。

翼を大きく広げ、いままさに飛び立とうと天に向かって羽ばたく“トゥルル”の姿はとても気高く、多くの観光客が“伝説の鳥”を撮影していました。

鎖橋方面から登って来ること15分ほどで、ブダ王宮に到着しました。王宮の敷地内はこのように石畳が敷かれていて、中世の面影が漂っています。

歩いていると突然、可愛いホーローのマグカップたちがこのように吊るされて、ディスプレイされていました。写真には映っていませんが、マグカップたちの右手には出店があり、ほかにもハンガリー刺繍が施された子ども服がハンガーに吊るされ、販売されていたのです。
路上になんとも粋なお土産ブースが出現し、なにげないディスプレイの仕方にもセンスのよさを感じました。

ブダ解放へと導いた勇者「ユージン・サヴォイ王子」の像

王宮の門をくぐり、歩みをそのまま進めると、目の前はドナウ川やペシュト地区を臨む絶景が広がり、前方右手を振り返ると、こちらもまた、天に向かって駆け抜けるかのような荘厳なる石像が現れました。

この馬に乗った騎士の像は「ユージン・サヴォイ王子の像」(EUGENE OF SAVOY MONUMENT) というもので、王宮を見守る守衛神の如く、ブダ王宮東正面の入り口前で厳かに建っています。

ユージン・サヴォイ王子とは、オイゲン・フォン・ザヴォイエン(通称プリンス・オイゲン)という、実際に実在したハンガリー史上とても重要な人物です。サヴォイ家のオイゲン公(ユージン・サヴォイ王子)は、オスマントルコ軍からブダを解放された時に大活躍した軍人・大尉でした。サヴォイ公の勇姿を讃え、ローナ・ヨージェフによって建設されたこの像は、「サヴォイ・イェーヌの騎馬像」とも呼ばれるそうです。

“ハンガリー国立美術館”として活用される「ブダ王宮」

サヴォイ公の像の目の前にあるのは、ブダ王宮東側の正面入り口。実は現在、ブダ王宮は「ハンガリー国立美術館」(*2)として活用されています。

(*2)ハンガリー国立美術館のハンガリー語表記は“Magyar Nemzeti Galéria”、英語表記は“Hungarian National Gallery”。

ブダ王宮にあるこの美術館には、“ゴシック”や“ルネサンス”絵画などのコレクションとともに、19〜20世紀に活躍したハンガリー人画家の絵画も多数展示されています。館内では常設展、特別展と合わせて、現代芸術(コンテンポラリー・アート)作品の展示にも力を入れているそうです(*3)。

(*3)ハンガリー国立美術館Webサイト: http://www.mng.hu/
住所:Budapest, I. ker. Szentgyörgy tér 2., Budavári Palota (Budai Vár) B, C, D épület(ブダ城 B, C, D棟)開館時間:火〜土10:00〜18:00

ハンガリーで最も有名な史跡であり、大人気の観光スポットにもなっている「ブダ王宮」。見どころがとても多いので、今回は前編後編2回に分けてお届けします。ブダ王宮の散策レポート、続きは後編コラムをお楽しみください。

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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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