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ハンガリー第二の都市の知られざる魅力(2)

デブレツェンの大教会でハンガリーの歴史を辿る(2/2ページ)

パップ英子パップ英子

2016/04/24

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教会内には


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ ) (写真左)コシュートが腰掛けた椅子 (写真左)多くの展示物が見学できる

筆者が撮影してきた教会内のこちらの椅子は、当時コシュートが腰掛けた本物の椅子で、ハンガリー独立を記念するシンボルとして現在も教会内に飾られています。

聖堂を出て、さらに奥へと進むと、目の前に階段とエレベーターが現れます。その階段を上っていくと、聖地エルサレムや厳かな神殿、キリスト降誕の舞台となった聖家など、キリスト教の歴史にまつわるさまざまな展示物がディスプレイされていて見学できるようになっていました。

それらの展示物は主に、教会内部の右側にある塔で展示されていました。途中から左側の塔に移動し、教会の頂上エリアを目指してそのまま階段を上り続けると、上っていくにつれ、どんどんと狭く急勾配な階段となっています。ヒールがある靴で上るのはやや危険なので、フラットシューズを履いていて正解でした。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ ) (写真左)塔の頂上へ向かう階段 (写真右)ラーコツィの鐘

聖堂のある1階から見学を始め、教会左側の塔に移動していくと、とても大きな古い鐘が見えてきました。この鐘は「ラーコツィの鐘」(*)と呼ばれ、ハンガリー国内のプロテスタント教会にある鐘では、いちばん大きい鐘なのだそうです。

(*)ラーコツィとはトランシルヴァニア公※ラーコツィ・ジョルジ1世George I Rákóczi(8 June 1593, in Szerencs – 11 October 1648, in Gyulafehérvár)のこと。ラーコツィ・ジョルジ1世が(家臣に命じて)造らせたもの。

元々、このカルヴァン派大教会は1297〜1311年に建設されたゴシック様式の“聖アンドリュー教会”でしたが、その教会は戦火によって焼失してしまったのです。現在の姿は、1805〜1824年の間に再建されたネオクラシック様式の教会が原型といわれています。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

ようやく教会の頂上部分に辿り着き、窓の外に広がる眺めを撮影してみると、ご覧の通り、デブレツェンの街を一望でき、とても気持ちのよい眺めでした。


(c)FinoMagazin ( http://www.finomagazin.com/ )

デブレツェンの中心に位置するカルヴァン派大教会をお伝えした後は、教会の目の前から発着しているトラムに乗って、緑豊かな場所を散策してみました。

ここは湖のある広々とした公園で、デブレツェン市民の新しい憩いの場。視線の先にうっすらと見えているのは、デブレツェンで人気のスパ・リゾート・ホテルでした。

燈台のような不思議な建物、これは一体?

湖のある大きな公園の奥を歩くこと約20分、ハンガリーは内陸国なので海がないのですが、なぜか海にある燈台のような不思議な建物が見えてきました。

縦長の不思議な建物のなかに入ると、目の前には可愛らしいカフェが!

センターにはスタッフがドリンクや軽食を作るキッチンスペースがあり、下の写真のように窓際にゲスト席が設けられているオシャレなカフェでした。

この建物は最近、デブレツェンの若い人達にとって人気のデートスポットとなっているようで、1階2階はインテリアのオシャレなカフェがあり、地下1階はライブスペースや多目的ホールとなっていました。

見た目の印象では室内はとても狭そうに見えたのですが、いざなかに入ってみると天井が高く、空間の使い方が上手なこともあり、とても広くゆとりのあるスペースになっていたのが印象的です。

デブレツェンの街並や建物を2回に渡りレポートしましたが、いかがでしたか?

ハンガリーには世界遺産都市のブダペストはもちろんですが、地方都市も趣きがあり、旅好きな人にはきっと興味深いエリアが色々あると思います。デブレツェン・レポート、最後となる次回は、名医を多く輩出する名門校として有名なデブレツェン大学の歴史ある構内の様子をレポートします。

建築様式にも注目してお伝えしたいと思いますので、次回ラストとなるデブレツェン・レポートをどうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

“FinoMagazin”(フィノマガジン)主宰(編集長)

ハンガリー在住コラムニスト。 食品会社でワインインポーター業務に従事した後、都内の広告代理店に転職。コピーライター、ディレクターとして勤務。百貨店やデパート、航空会社、ベビー・ブランド等のクリエイティブ広告で、インテリア製品のコピーライティング、ディレクション等を数多く手がける。 2013年、夫の国ハンガリーに移住後も育児に奮闘しながら執筆業に邁進。日本の雑誌(出版社)でハンガリー紹介記事(取材・撮影・文)を担当。また、自身とハンガリー人クリエイターとで運営するブダペスト発ウェブメディア“FinoMagazin”でもインテリアを含めたライフスタイル全般コラムを連載。美容メディアにてビューティ・コラム連載、その他、企業のWEBサイトや企画書制作、日本のTV局、広告代理店、メーカーからの依頼でハンガリー現地ロケ・コーディネート等、多岐に渡る業務をこなしている。 自身主宰のハンガリー情報WEBメディア “フィノマガジン” http://www.finomagazin.com/

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