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週末は田舎暮らし! を始めよう(13)

子どもが虫を卒業したら、親は何のために二地域居住を続けるの?(2/2ページ)

馬場未織馬場未織

2016/04/15

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オトナにとっての学びの場

子どもには、「何を学びたいのか」「どんな仕事がしたいのか」「どんな暮らしがしたいのか」とビジョンを問うことが多いものです。しかし大人になってからは、忙しさにかまけて惰性で生きていきがちです。手持ちの札のなかでやりくりしていくのが精いっぱいで、自身の未来について思いを馳せ、そこに向かって計画することなど、なかなかできない。

二地域居住をしていると、家族の未来、自分の未来への意識が高まります。以前、家族との合意があってこその二地域居住だ、という話をしましたが、ライフスタイルの変化の節目ごとに、家族それぞれがどんな人生を生きたいか、ということを考えるきっかけが訪れます。

わたしは現在、体は東京7:南房総3くらいの比率ですが、頭のなかは完全にフィフティです。いや、4:6かな。そんな現状に加え、手を離れていく子どもたちにこれからは「目をかけていく」ことを考え、まただいぶ歳をとった父母と義父母の世話を描き、夫婦の仕事の方向性を思い…。

たとえ自分の幸せを優先させようと思っても、結局のところ関わる人や土地や、そこから広がる世界が幸せであってもらわないと自分も幸せに思えないからねえ。

ここ数年で大きな決断があるとしたら、①土地をシェアするか、②移住するか、③撤退するか、あたりですが、いまのところ①を目途に動こうと思っています。

二地域居住は、オトナにとっての学びの場です。

考えて、ワクワクして、行動して、気付いて、メゲて、考えて、行動して。

子どもたちの成長、変化に目を細めつつ、自分もオトナなりの成長をしていきたいものです。

 

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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