障子の張り替え――黄ばみ、小さな穴のごまかし方からアクの出ない張り替え……失敗しないDIYのポイント(2/4ページ)
内村恵梨
2020/09/02
和紙障子紙とプラスチック障子紙、それぞれのメリット・デメリット
●和紙の障子紙
一般的な紙の障子紙には、手すき/機械すきの2種類があり、ホームセンターなどでお手頃に手に入るのは、機械すきのものです。最近は強度を高めるため、レーヨンが配合されているものが多いです。
和紙の障子紙のメリットは、通気性が高く、吸湿性に優れていること。湿度の高い日本の住宅に最適なのです。室内の急激な温度変化をおさえ、部屋の中を適度な温度に保つ働きがあります。また、材料費は障子2枚分で500円〜1,000円程と、価格もお手頃です。
デメリットは、破れやすい、日焼けしやすいなど、耐久性が低いこと。プラスチック障子紙に比べると、張り替えの頻度はどうしても高くなります。
●プラスチック障子紙
プラスチック障子紙とは、和紙をプラスチック素材で挟んである障子紙です。普通の和紙の障子紙と同じで、ロールになって売られています。
メリットは、破れにくい、日焼けしにくいなど、強度が高いこと。子供やペットがいるお宅でも、破られにくいので張り替え頻度が少なくなります。また、空気を通しにくいので、冷暖房効果が高まります。
デメリットは、通気性が悪いので、湿度の高い部屋だと結露やカビの原因になりやすいこと。また、材料費は障子2枚で1,500円〜2,500円程と、和紙に比べて割高になります。
写真② プラスチック障子紙
障子張り替えの注意点
障子の木枠は、経年劣化で木のアクがでてきていたり、手垢やほこりなどの汚れが蓄積しています。それが障子張り替えの際に水に触れると、張った障子紙ににじみでてくることがあります。アクがでると、写真③のように見栄えも悪くなるので、注意が必要です。
アクがでるのを防ぐためには、以下の2点に注意してください。
1.古い障子紙をはがした後、完全に木枠を乾かすこと(1日目にはがし、2日目に張るなど作業を分けると安心です)
2.剥がし材や障子糊は、「アク止め」と書いてあるものを使うこと
写真③ アクがでている様子
この記事を書いた人
匠アカデミージャパン 事務局長 (運営:株式会社イマジンネクスト)
匠アカデミージャパンは2016年に開校した内装リノベーションのスクール。 単にDIYのノウハウを教えるスクールではなく「人生100年時代の大人の学び直し」の場として、副業やセカンドキャリア、定年後の生き生きとしたライフスタイルに生かせる技術を身につけることを提唱している。 講習内容は、クロスや床材の張り替えや、賃貸住宅大家さん向けワンルームの原状回復コースなど、まったくの経験のない方に対してDIYを超えた職人の技を伝授。照明プランニングや内装コーディネートのセミナーなども開催中。 http://www.takumi-ac.jp/