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【京都で愉しむセカンドライフ】坪庭、五山送り火、川床……暑い京都の夏を涼しく過ごす工夫を知る(2/3ページ)

奥村 彰太郎奥村 彰太郎

2020/07/31

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幻想的な真夏の夜を過ごす「五山の送り火」

京都の夏の風物詩といえば、8月16日の「五山送り火」。お盆の精霊を送る伝統行事だ。京都盆地を囲む山々に「大文字」「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の文字や形で火が焚かれる。東山の大文字は鴨川沿いなどかなり広範囲で見られる。我が家のベランダからも見えるが、斜めから見るのでアルファベットのKのような形だ。

一昨年は銀閣寺近くの橋本関雪記念館で食事をしながら鑑賞した。大文字からの至近距離にあり点火された炎が見える絶好の鑑賞スポットだ。店主から「盃の酒に大文字が映るようにして願いを込めて飲むと良い」と言われ試してみた。願いはともかく、朱塗りの盃に映る逆さ大文字を眺めていると雅な気分になれる。


盃に映る大文字 

昨年は「五山送り火」の4つを見ることができるスポットである西陣織会館の屋上で鑑賞する機会を得た。20時に東山の大文字山に「大」の文字が、その後5分おきに「妙・法」「船形」「左大文字」まで順番に火が焚かれ、夏の夜空に浮かび上がる。幻想的な真夏の夜を体験できた。


五山送り火(妙・法)


五山送り火(船形)

送り火は先祖の精霊を送る大切なお盆の行事だが、今年は送り火見学での三密を避けるため規模を縮小して行うことになった。文字の一部だけで点火するので、大文字は大の字にはならず6カ所の点だけ火が焚かれるとのこと。

御手洗祭で心身を清める


下鴨神社の御手洗祭

土用の丑の日の前後に下鴨神社では御手洗(みたらし)祭が行われる。神社の湧き水が出ている御手洗池に裸足で入り無病息災を祈る「足つけ神事」と呼ばれている。ロウソクを持って池を進み、祭壇に献灯し無病息災を祈る。湧き水は冷たく、池を進むにつれて大人の膝上までの深さがあり慣れるのに少し時間がかかるが、水から出ると爽快な気分になる。そして締めは、双葉葵が描かれた器に入れてくれる「ご神水」を飲む。心身共に清められた感覚になるから不思議だ。

御手洗池から湧き出る水泡を模したのが「みたらし団子」の起源になったとも言われている。下鴨神社の門前に「加茂みたらし茶屋」という老舗があり、みたらし団子が食べられる。

残念ながら、今年はコロナ禍の影響で御手洗祭は中止になった。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラー

1953年東京生まれ、東京都立大学卒業、株式会社リクルートに入社。進学や住宅の情報誌の営業や企画・人事・総務などの管理職を務め、1995年マネー情報誌『あるじゃん』を創刊。発行人を務めた後、2004 年 ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラーの資格を活かし、“キャリアとお金”のアドバイザーとして独立。企業研修の講師や個別相談を中心に活動中。大学の非常勤講師も務める。東京と京都のデュアルライフを実践中。

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