部屋のきれいな女性が陥りやすいワナ(2/3ページ)
遠山 高史
2019/07/29
イケメンだが子供っぽい、ギャンブル好きで夢見がち、マザコンの酒飲み……そんな男に填まる理由
私は彼女に男が寄り付かない理由がなんとなくわかった。
美人で仕事ができる、これだけでも普通の男は気後れするというのに、花道と茶道をたしなみ、炊事、洗濯、掃除まで完璧にこなされたとしたら、つけいるスキがまったくない。快適だと思うのも最初のうちだけでで、たいていの男は居心地が悪くなって逃げだしてしまうのではないか――。
「作品」だという、生け花の写真を見せてもらった時、彼女の部屋の一部が写っていた。まるでモデルルームのようで、本棚には難解そうな書籍が並び、週刊誌や雑誌など一切無く、家具も洗練されたものだった。これでは、寝転がってくつろぐのも気が引けるというものだ。
こういうタイプは、少し手を抜くことを覚えたほうが良いように思う。食事など、最近はコンビニのお弁当でも十二分においしい。出前もインターネットですぐに来てくれし、掃除も毎日やらずとも死ぬわけでなし、多少乱雑な方が気が休まるというものだ。当の本人も疲れるし、近しい人間は、息が詰まってしまう。
そのうえ、彼女のようなタイプの女性はなぜかしっかりした面倒見の良い男とは縁が少ない。むしろ、イケメンだが、やや子供っぽく、ギャンブルなど好きで、しょっちゅう仕事を変え、定職につかなかったり、あるいは、プライドだけは一流だがマザコンで酒飲み男との縁が多い。結局一緒になって苦労することも珍しくない。
この記事を書いた人
精神科医
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒業。精神医療の現場に立ち会う医師の経験をもと雑誌などで執筆活動を行っている。著書に『素朴に生きる人が残る』(大和書房)、『医者がすすめる不養生』(新潮社)などがある。