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増える日本の空き家

「あたりまえ」のものを見直す努力を(2/3ページ)

川久保文佳川久保文佳

2019/05/07

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彦根市は京都からの通勤圏内とあって、子ども連れの若い夫婦も多く、人口は約11万人。

2015年の統計によると生産年齢人口割合は62.4%。老年人口割合23.4%。街には、大型ショッピングセンターなどもあり、活気がありました。

近隣の近江八幡も含めて琵琶湖の側道には桜の木が並んで植えられていて、東京で見る桜とは趣が異なり、大海に桜を思わせる不思議で素敵な風景でした。桜を愛でながらサイクリングというのもおつなものです。琵琶湖はロードバイクに乗る人の間では、サイクリングロートとしても一目置かれていて、琵琶湖を一周することが「ビワイチ」と呼ばれ、親しまれています。琵琶湖一周が200キロとあって、かなり長い距離を走らなくてはならず、愛好者にとっては途中に休憩場所や宿泊施設が足りないことが不満になっているようです。

海外から来る観光客にとっては体験型の旅行や自然に親しむ旅行の割合が増えつつあり、彦根市での空き家の利活用に可能性を感じました。

実際、帰路で自転車を収納したバッグを抱えた旅行者が列車に乗り込んでいる姿もあり、まだまだできることがあると確信しました。

② 石川県白山市を訪ねて

彦根市の訪問を終え、京都に戻り、特別急行列車「サンダーバード」に乗って金沢へ。

金沢から白山市白山連峰へ。今回は、オーガナイザーと一緒に、不動産や地域創生、IOT、AIなど建物と街づくりとテクノロジーに関わるメンバー、約25人と一緒に白山連峰を訪れました。

白山市白峰地区は、自然のアクティビティにあふれる素晴らしい地域。手取川の水流には四季折々の木々がせり出し、渓谷と緑色の水脈には趣を感じさせてくれます。

石川県最大の河川手取川の流域で白山連峰から流れる水は雪解けの豊富な栄養を湛えて下流へと注いでいて、白山手取川ジオパークとしての認定も受けています。しかし、こんな素晴らしい地域でも過疎化は起きていて、リピーターの多い公益宿舎「白峰温泉御前荘」とコテージ5棟が地域予算削減の為、2019年3月閉鎖されてしまいました。

ここは、白山手取川ジオパークの拠点であり、白山市白峰伝統的建造物群保存地区の中心的な役割を果たしており、インバウンド向けのジオアクティビティにはなくてはない宿舎だと感じました。

魅力ある地域デザインへの構築が進む中、残すべき建物が利活用されないというのは、残念なことだと感じます。

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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