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投資していい不動産の見きわめ方は?

海外不動産投資セミナーで投資物件を買ってはいけない3つの理由(4/5ページ)

市川 貴士市川 貴士

2017/09/05

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<理由2>不動産販売の経験が浅い業者が開催している場合が多い

海外不動産に興味を持つ人のなかには英語が話せて、海外赴任経験のある人もいます。また、すでに国内で不動産投資を行なっている人がほとんどです。

ですが、海外で不動産投資をした経験のある人となると、不動産業者であっても、その数は極端に少なくなります。

まして、海外と日本では、経済事情はもちろん、法律や商慣習などさまざまな点で異なっています。そのため、日本での不動産投資の経験があっても、海外不動産に投資をするためには、それとはまったく異なる価値基準や判断基準が必要です。

投資家の人たちもそのあたりのことはよく知っていて、結局は、「海外の投資用不動産を販売する業者や個人がどれだけ信用できるか」を自分なりに見きわめて投資判断をしています。「海外不動産は人を選んで買え」と言われる所以はここにあるのです。

しかし、海外不動産投資が多くの投資家に注目されるようになったのは、ここ数年のことです。不動産業者を見きわめるためには、営業年数や扱う物件数、お客さんとなっている投資家の数などがポイントになりますが、海外不動産の場合は簡単ではありません。そもそも海外不動産投資セミナーを開催する不動産業者であっても、海外の投資用不動産に精通した業者が非常に少ないのです。

自分で調べることがしやすい国内不動産ならまだしも、自分では情報の取捨選択がむずかしい海外不動産では、人の見きわめはむずかしいことでしょう。

<理由3>セミナー主催者が不動業者とは限らない

海外不動産に限らず、不動産投資セミナーは、実際に不動産を販売する業者自身が主催するセミナーばかりではありません。たとえば、メディアを運営する媒体事業者などが主催するセミナーもあります。

そうした場合、主催者はあくまでもセミナーを主催しているという立ち位置であって、その場で紹介される投資用不動産に関わりがあるわけではありません。もちろん、主催者としても登壇する不動産会社や講師をしっかり審査しているはずですが、そこで紹介される投資用不動産を推薦しているかどうかは、まったく別次元の話です。

参加する側としては、セミナー主催者が推奨する物件が紹介されているように錯覚しがちですし、「この会社が主催するセミナーだから大丈夫だろう」と考えてしまいがちです。ですが、投資するかしないかはあくまでも自己責任です。しっかりと自分自身の目で判断するようにしてください。

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この記事を書いた人

株式会社国際不動産エージェント 代表取締役社長

宅地建物取引士。公認不動産コンサルティングマスター。 1961年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。 84年、株式会社リクルート入社後、株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)へ転籍。25年間の在籍中、不動産営業・マーケティング・商品企画に従事。その後、海外不動産の販売に従事し独立。世界各国の不動産の視察、販売を行なうほか、セミナー講師としても活躍。 30年のデベロッパー経験を活かし、独自の不動産マーケティング理論を組み合わせた分析を得意とする。14ヵ国38都市の不動産を視察し、現在も毎月海外視察を継続中。わかりやすい解説と不動産マーケットを知り尽くした深い視点からの語りが好評。

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