海外不動産投資セミナーで投資物件を買ってはいけない3つの理由(3/5ページ)
市川 貴士
2017/09/05
海外不動産投資セミナーの情報を信じてはいけない3つの理由
海外不動産投資セミナーは、まずその国や都市のマクロな情報の話からスタートするのが一般的です。その後、セミナーで販売したい不動産の説明に入りますが、当然ながらセミナーで売りたい不動産に関する悪い情報は積極的には話しません。
「短所も長所の裏返し」のような表現はありますが、耳心地のいい話に終始し、物件そのものにはあまりフォーカスせずに終わることもしばしばです。参加者からの質問については、主催者の方針によります。受け付ける場合もあれば、受け付けない場合もあります。
こうした海外不動産投資セミナーで提供される情報はどこまで信じていいものでしょうか。
結論から申し上げると、海外不動産投資セミナーの情報を鵜呑みにしてはいけません。その理由を3つ、ご説明しましょう。
<理由1>セミナーは販売目的のプレゼンの場であり、情報が少なすぎる
© miya227 – Fotolia
海外不動産投資ということは、当然、その投資対象になる不動産は海外にあります。私は、これまでに海外不動産投資セミナーを200回以上行なっていますが、セミナー来場者のなかには、その国に行ったことがない人がとても多くいらっしゃいます。
つまり、参加者の多くは、現地の情報を何も持っていない状態でセミナーが行なわれるということです。それにもかかわらず、セミナーで得られる情報だけで投資を決めてしまう人がいらっしゃいます。
ただでさえ、セミナーという一定の時間内で提供できる情報は限られてしまいますし、そもそもの目的が投資用不動産の販売ですから、いい情報だけが耳に響くように構成されています。
しかも、参加者としても「投資で儲けたい」という気持ちがあるため、「自分に都合のいい話」だけを聞きたがる傾向が強いと言えます。そのため、とても少ない情報だけで、現地にも行かずに購入してしまうケースも多いのです。
セミナーで得られる情報には、質の面でも量の面でも限界があります。セミナーの情報だけで投資を決めてしまうのはリスクが高いと言わざるを得ないでしょう。
この記事を書いた人
株式会社国際不動産エージェント 代表取締役社長
宅地建物取引士。公認不動産コンサルティングマスター。 1961年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。 84年、株式会社リクルート入社後、株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)へ転籍。25年間の在籍中、不動産営業・マーケティング・商品企画に従事。その後、海外不動産の販売に従事し独立。世界各国の不動産の視察、販売を行なうほか、セミナー講師としても活躍。 30年のデベロッパー経験を活かし、独自の不動産マーケティング理論を組み合わせた分析を得意とする。14ヵ国38都市の不動産を視察し、現在も毎月海外視察を継続中。わかりやすい解説と不動産マーケットを知り尽くした深い視点からの語りが好評。