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投資用不動産価格の下落が始まった!?

不動産投資で総資産10億円超! メガ大家さんが破綻する日(2/3ページ)

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投資用不動産の価格はピークを過ぎた?

とはいえ、「メガ大家さんのビジネスモデルには、常にある種の危うさがつきまとう」と、前出の不動産投資家は言います。

「総資産は大きく増えていますが、一方で借入額も膨らんでいます。たとえば総資産が15億円あったとしても、借入金が7〜8億円というバランスであってもおかしくないでしょう。
投資用の不動産価格が高い水準にある現在はいいのですが、もし価格が下落に転じたときのことを考えると非常にリスクが高いと言わざるを得ません。あっという間に資産が目減りして、保有資産をすべて売却しても借金を返しきれないという状況に陥る可能性も考えられます」

実は、この言葉はある程度のリアリティを持っていると言えるでしょう。事実、これまで上昇を続けてきた投資用の不動産価格のトレンドが変わりつつあるようなのです。

不動産投資サイト「楽待」( http://www.rakumachi.jp )を運営する株式会社ファーストロジックが2016年12月5日に発表した「投資用 市場動向データ 最新版2016年11月期分」によれば、投資用不動産の全物件種別で価格が下落しており、同社は、「投資用不動産価格の上昇トレンドはピークをすぎ、下落トレンドに転じたことが伺えます」としています。また、この1月10日に発表された「投資用 市場動向データ 最新版2016年12月期分」を見ても、不動産価格が上昇トレンドにあるとは言えない状況が続いています。

すでに不動産投資を始めている人、これから始めたいと考えている人のなかには、メガ大家さんたちの手法にならって、大きく資産を増やそうと考えている人がいらっしゃるかもしれません。しかし、現時点でそれは決しておすすめできません。
下落トレンドに転じた可能性があるとはいえ、いまだ投資用不動産の価格は高い水準にあります。多くの不動産投資家が、「価格が高すぎて、収益性を考えるととても購入できない」と口を揃えて言う状況です。
ここからさらに不動産価格が大きく上昇することは考えにくく、メガ大家さんの投資手法を再現するのは非常にむずかしい状況だと言えるからです。

ボロ物件投資も、もはやおすすめはできない!?

昨今の不動産投資ブームで、もうひとつ注目を集めていたのが「ボロ物件投資」です。ボロ物件投資とは、築20〜30年の中古物件を200〜300万円程度の安価で購入し、DIYなどでお金をかけずにリフォームして、そこそこの家賃で貸し出すというものです。
2013〜14年頃にはたくさんのノウハウ本が出版され、多くの人たちがボロ物件投資を始めたと言われています。

ボロ物件投資は、少ない投資額で始められるので、高い利回りが期待できますし、メガ大家を目指すよりもはるかに現実的といえます。
とはいえ、現在はこのボロ物件投資を行なうのも非常にむずかしい状況になっているというのが実情なのです。

そこにはふたつの理由があります。ひとつめの理由は、ボロ物件投資が大きな話題になった時期に、めぼしい物件がほぼ買われてしまったことです。そのため、いまは投資したくても、投資すべきボロ物件がなかなか見つからないのです。
そして、もうひとつの理由は、需要が高まったことでボロ物件の価格が上昇してしまったことです。ボロ物件投資が高い利回りを狙えたのは、あくまでも物件を安価で入手することができたためです。物件価格が上がったからといって、賃料を簡単には上げられませんから、もはやかつてのように高い利回りを狙うことはできません。

つまり、現在では、ボロ物件投資も決しておすすめできる投資手法ではなくなってしまったと言えるでしょう。

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