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ゴミ出し、騒音問題も心配なし!

民泊トラブルを防ぎ、売上げを増やすカギは「ハウスルールづくり」にあり!(2/2ページ)

高橋 洋子高橋 洋子

2016/12/22

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いざというときは民泊仲介サイトの保障制度を活用

ゲストを自分の家に泊めるわけですから、ゲストが誤って窓ガラスを割ってしまったり、トイレを詰まらせてしまったりするなど、備品や設備の破損、故障といったトラブルも起こります。
破損や紛失が心配なものや高価なものは、最初からゲストの目に触れるところには出しておかないこと。金庫に入れたり、部屋に鍵をかけたりして、人の目に触れないところに置いておきましょう。

また、Airbnbでは、同サイトを通してゲストを宿泊させた場合に、何かが壊されたり、盗まれたりしたときのための保険制度があり、保険料なしで1億円まで補償してくれます。この補償金額は、旅行業界でも類を見ない水準ですので、万が一のときの備えとしてこのような保障制度があるサイトを利用するのもいいでしょう。

ゲストを安定的に集めるための裏ワザ

ハウスルールを決め、ハウスマニュアルも整備し、トラブルを未然に防ぐための対策ができたら、次は売上アップについても対策を練りたいところです。
筆者は元手3万円でホームステイ型民泊に挑戦してみました。初月売上げは5万円。半年で40万円、8カ月で58万円の売上げになりました。

民泊では自分の家や部屋を貸すわけですが、いくらで貸すかなど自由に設定できます。まずは民泊仲介サイトで、近隣の相場を調べてみましょう。
そして、まずは近隣よりも2割ほど安く宿泊料を設定して始めてみるのです。

なぜ宿泊料を安くするのかといえば、ゲストの感想(レビュー)を集めるためです。

Airbnbなど多くの民泊仲介サイトでは、ゲストが泊まったレビューを書き込むことができます。民泊を利用するゲストたちは、そのレビューを見て、「ここは評判が悪い」「ここなら安心だろう」と予約を入れるゲストハウスを決めているのです。
そのため、レビューが10個以上に増えるまでは、やや安めの宿泊料に設定してでもいいレビューがもらえるように手を尽くしましょう。

10組のゲストを泊めて、10のレビューがつく頃には、部屋や対応などをどう改善していけばいいのかもわかってくるはずです。改善できるところは改善して、徐々に宿泊料を上げていきましょう。
筆者が取材した民泊ホストのなかには、スタート当時、あまり予約が入らず、民泊仲介サイトの設定する最低金額である10ドルで募集した人がいました。その途端、次々と予約が入り、運営が軌道に乗ったそうです。

売上げを上げるには3つの方法がある

筆者が試してみたところ、ホームステイ型民泊をやってみて、月平均して7万円ほどの副収入になりました。準備にかけた元手3万円は初月で回収できました。
メール対応やチェックイン、チェックアウト、掃除などの手間はあるものの自宅の1部屋を貸すだけで、お小遣い稼ぎができると思えば悪くはありません。そうなると、もっともっと利益を出したくなるもの。そこで、売上を上げるための3つの方法をご紹介しましょう。

(1)単価をあげる(インテリアにこだわるなどして質を上げ、高評価レビューを増やす)
(2)客数を増やす(1名よりも3名入れれば、3倍稼げる)
(3)客室を増やす(1部屋よりも2室貸し出せば、2倍稼げる)

また、Airbnbには最低価格と最高価格を設定しておけば、近隣物件の状況や時季的なニーズに合わせて、その日に最適な価格が自動的に設定される「スマートプライシング」という便利な機能もあります。まずはこの機能を利用して、相場を見ながら最低価格と最高価格の調整をしていくといいでしょう。

最近では民泊を始める人が増えて、競争が激しくなっているため、宿泊料金が下がっています。2年ほど前は1泊9000~1万円の宿泊料が1部屋で見込めたところが、いまでは都内でも5000円前後が相場となっているようです。
さらに春休みや夏休みは繁忙期でも、1~2月は閑散期というように全体的にニーズが減る時期もあります。

民泊、特に私がおすすめするホームステイ型民泊は、始めればすぐに儲かる、というものではありません。ゲストをもてなし、ゲストの満足度をあげ、高評価のレビューを地道に積み上げていくこと。そうしてゲストからの信頼を得た結果として、徐々に単価を上げることができるのです。

「とにかく手っ取り早く稼ぎたい」という人には不向きかもしれませんが、ゲストとの交流を楽しみながら、お金まで稼げてしまうということに喜びを感じる人には、心からおすすめしたいと思います。

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この記事を書いた人

暮らし研究所エメラルド・ホーム代表

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。

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