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エリアや物件の選び方は? 準備すべきものは?

トラブルなし!民泊で合法的に成功する6つのルール(2/3ページ)

高橋 洋子高橋 洋子

2016/11/17

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4.物件を用意するなら戸建ての賃貸物件がおすすめ

民泊を始めるために、わざわざ物件を購入して始めるのは、得策ではありません。初期費用がかかりすぎますし、民泊需要の変動があったときに臨機応変に対応することができません。
あくまでも可能性の話ですが、日本で大地震があったり、円安が進んでその影響が大きくなったりすれば、外国人旅行者が日本を敬遠することも考えられます。また、2020年の東京オリンピック後となれば、外国人旅行者が大幅に減少することも予想できるからです。

そこで現在、広がっているのが、通常の賃貸住宅を借りるのと同じように、物件を借りて、民泊を始める方法です。ただし、賃貸物件は基本的に転貸が禁止されています。そのため、民泊に利用できるのは、所有者が「民泊での使用を認めている」物件に限られます。こうした物件が、「民泊許可物件」と呼ばれているものです。
ただし、賃貸物件で民泊を始める場合でも、敷金や礼金といった初期費用が必要になります。「民泊許可物件」は人気が高いので、普通の賃貸物件よりも初期費用は高めになっている場合が多く、最低でも数十万円は必要になるでしょう。

また、戸建てかマンションか、どちらが民泊に好ましいかというと、戸建てでしょう。マンションやアパートなど共同住宅の場合、ほかの入居者の賛同を得ることはむずかしく、マンション全体で民泊を禁止しているケースもあります。

一方、米国では、マンションオーナーが入居者に民泊の貸し出しを認めると売上の5〜15%が入るプログラム「Friendly Buildings Program」の導入が始まっています。この制度が日本で広がれば、一気にマンションでの民泊も広がる可能性もあります。

5.自宅で始める「ホームステイ型民泊」がベスト

何よりも低コストで始めるなら、前回もお伝えしたように、自宅の部屋を貸す「ホームステイ型民泊」がおすすめです。その場合、初期費用は3万円もあれば十分です。
新刊『3万円からの民泊投資術』の取材のために、ホームステイ型民泊に挑戦した筆者は、布団とシーツ2組とケトルや観葉植物を買った2万2000円で始めました。

(参考記事)
初期費用3万円!「ホームステイ型民泊」で月14万円を稼ぐ方法

寝泊まりに不自由がなければ問題ないので、冷蔵庫や電子レンジを民泊用の部屋におく必要はありません。キッチン、浴室、トイレはシェアします。
最大手の民泊サイトの規約では、ホストが最低限用意するものとして、清潔なシーツ類、タオル、石鹸、トイレットペーパーをあげています。
ただし、これはあくまでも最低限のものです。これに加えて、ゲストに喜ばれるような設備やアメニティーをそろえておけば、ゲストの評価が高くなり、リピーターになってくれることはもちろん、紹介や口コミで新規のゲストからの問い合わせや予約が増えるはずです。

そこで次に、どんな設備、アメニティーがあると喜ばれるのかを見ていきましょう。

6.Wi-Fiや格安SIMでインターネット環境を整備する
旅行客が最も重要視しているのは、インターネット環境です。インターネットに接続して観光名所を調べたり、スカイプで自国の家族と会話をしたり、ユーチューブで動画を見たりと、よく利用しているようです。ハウスWi-Fiを設置し、IDとパスワードを入力すれば、家のなかでゲストも自由にインターネットができます。

「モバイルWi-Fi」を用意して貸し出してあげれば、外出先でもゲストはインターネットが利用できるので喜ばれます。あるいは、インターネット通信用のSIMカードを用意しておくのもいいでしょう。
詳しい説明は省きますが、SIMカードとは、スマートフォンなどのモバイル端末でインターネット接続や音声通話を行なうために必要なICチップカードのことです。「SIMフリー」といわれるスマートフォンなら、SIMカードをセットするだけでインターネットに接続することができます。MVNOと呼ばれる事業者が提供する格安SIMであれば、利用できる通信量に制限はありますが、月々数百円から利用することができます。

ほかにも、ドライヤーやシャンプー、リンス、カミソリや歯ブラシ、ケトル、コーヒーやお茶、ミネラルウオーター、マグカップなどを準備しておきましょう。あるホストは、女性向けに肌のお手入れができるスチーマー(美顔器)を部屋に置いていると言っていました。マッサージチェアやコーヒーメーカーなども、家にあるものを使ってもらえば喜ばれるかもしれません。
またゲストがよく使いそうなものは、棚にしまわず見えるところに置いておきましょう。

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この記事を書いた人

暮らし研究所エメラルド・ホーム代表

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。

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