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景気がいいと不動産投資は儲からない!?

不動産に1億円を投資すると月の儲けはいくら?(2/3ページ)

尾嶋健信尾嶋健信

2016/01/27

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いまは、月10〜20万円の利益が出ればよいほうに

次に、先ほどの例から5年後の「いま」の話をします。

東日本大震災の発生した2011年に比べて、わが国の景気はずいぶん好転しました。デフレ不況から脱しつつあるといっていいでしょう。さらに、2013年9月には東京オリンピック招致が決定。2020年に向けて、首都圏の不動産業界はいま、大いに盛り上がっています。マンションの販売価格もうなぎ上り。東京のA町にある1室20㎡の分譲ワンルームマンションも、300万円以上値上がりしました。

いま、このA町で、1億円で買える不動産物件といえば、1室20㎡×6室の小さなマンションくらい。その一方で、家賃相場は5年前とほとんど変わっていないため、賃料を1室8万円程度にしないと、誰も入居してくれません。

つまり、このマンションから得られる家賃収入は、8万円×6室×12カ月=年間576万円。一方、購入資金1億円を年利4.5%の銀行ローンでまかなった場合、金利支払い額は年間450万円になります。

手元に残るお金は576万円−450万円=年間126万円。月割りにすると12万6000円で、ここから管理費や修繕積立金を拠出すると、赤字になる可能性もあるし、万が一空室でも出れば、赤字に転落するのは確実です。

 

脱サラ志向が不動産投資を加速させる?

このように、景気が好転して不動産価格が上昇し続けているいま、不動産投資で利益を上げるのはむずかしい状況になっています。にもかかわらず、不動産投資は相変わらず、ブームといってもいいほどの賑わいを見せています。いったいなぜでしょうか。

これは私見ですが、この社会にはそれだけ、「サラリーマンを早く卒業したい」と考えている人が多いのではないでしょうか。

日本経済を支えるビジネスマンのなかには、毎日本当に忙しく働いている人たちがいます。

たとえば私の知り合いに、外資系企業に勤めている営業マンがいますが、彼は連日帰宅が夜10時過ぎ。資格取得のための勉強もしているので、休日もほとんど休みなしです。年収は1000万円を超える高給取りですが、40代半ばを過ぎ、さすがに体のほうがキツくなってきたとか。

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この記事を書いた人

満室経営株式会社 代表取締役

1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。

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