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これを知らないと、失敗・破綻が忍び寄る? 賃貸不動産投資『基本のキ』(3/3ページ)

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3.事業目的を定めよう

以上、いわゆるサラリーマンオーナーを想定した賃貸事業に関する基本の「キ」を選りすぐって述べてみた。

賃貸事業は、参入する際に勉強すべきことがとても多い世界だ。ひととおりを伝えようとすれば、物件選択を筆頭に、金融機関との交渉に関するあれこれや、税務に関する話、さらには物件売却についてのノウハウなど、通常は単行本1冊分程度にはなる。 

そのうえで、この記事では、賃貸事業のいわばスケルトンの部分を語ってみた。賃貸事業が明らかな「事業」であることと、その成否のカギとなるキャッシュフローについて、簡潔に説明してみたつもりだ。ぜひ、次のステップへの土台にしてほしい。

最後に、賃貸事業を始めるにあたってのおすすめなアクションを伝えよう。

それは、事業目的を決めることだ。これから自身が始める賃貸事業は、何のためにこれを行うのか、ハッキリと文字に書いて掲げよう。書くべき内容は2つある。しかも、それらはこの記事が読者に押し付けさせていただく。見てほしい。以下のとおりだ。

私の賃貸事業の目的

一 人々に、安全で快適な、住んでよかったと思える部屋(家)と環境を提供すること
二 一の達成をもって、私(私と家族)の幸福の礎となる資産を形成すること

一は、不動産投資に関するレクチャーでは大抵忘れられる傾向にあるが、これが基本だ。この目的がブレなければ、その賃貸事業のコンパスの針はつねに成功の方向を指し続けることになるはずだ。 

二のポイントは「資産を形成する」という部分にある。これは賃貸事業の目的としてもっとも適切なものだ。老後のため、子どものため、セミリタイヤするため等々、賃貸事業でよく掲げられる具体的な目的は、集約すれば資産形成の成功というひとつに収まるものだ。

なお、後者の心がけをしっかりと持っておけば、オーナーはよくある失敗も避けやすくなる。それは、生じたキャッシュフローを財布の中に湧いた札束と勘違いし、不要な買い物や遊興費等に投じてしまうことだ。述べたように、キャッシュフローはリスクヘッジも兼ねた資産形成のための積み重ねであって、リスクが顕在化せずに済んだ場合は、事業の安定のためさらなる投資の元手とするのが正しい使いみちとなる。

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この記事を書いた人

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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