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ファミリー向け分譲マンションに特化した不動産投資法――ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由③(2/3ページ)

横山 顕吾横山 顕吾

2021/08/19

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出口戦略も優秀な分譲マンション

五つ目の理由は、ファミリー向け分譲マンションの場合、「実需」の方に売却することができるため、売却額が高めになる可能性があるからです。

不動産投資家の方は、一棟物と呼ばれるアパートやマンションを所有していることが多いです。

そのなかでも不動産投資家は、どういう物件を購入しようするでしょうか? 積算価格より安い売値の物件や、利回りが高く、キャッシュフローが出る物件を購入すると思います。土地や建物の価格を算定する「積算」や家賃収入から不動産価値を逆算する「収益還元法」によって利回りを計算して、安く物件を購入しようとするでしょう。

一方、マイホームを買おうとする「実需」の方はどうでしょうか? 土地値の適正価格を知るために路線価から実勢価格を逆算したりするでしょうか? 分譲マンションの場合は、土地は区分所有者の共有となりますが、きちんと土地値を出すことができるでしょうか? 建物の価格を算出するため構造による建物単価を知っているでしょうか? 中古の場合は法定耐用年数から差し引きできるでしょうか? 

それらをきちんと計算する人もいるかもしれませんが、少数だと思われます。

つまり買主として、不動産投資家よりマイホーム購入希望者の方が、不動産知識が少ないので、売主側として高く売却できる可能性が高いということなのです。

高く売却できるほかの理由

高く売却できる可能性が高くなる理由はあと2つあります。

ファミリー向け分譲マンションをマイホームで買う方は、「住宅ローン」で融資を組むからです。住宅ローンは、各銀行でいろいろな商品がありますが、ここでは公的機関の住宅金融支援機構の「フラット35」を例に解説します。

住宅ローンの金利は1%台です。新耐震基準の築年数であれば、マイホームの場合、中古でも築年数関係なく最大35年です。しかもフル固定金利です。35年フル固定で借りられるのは住宅ローンだからなのです。

不動産投資家では、30年以上の融資期間を引けて金利1%台で借りられる方は少数です。新築住宅を売却する営業マンの常套文句の「家賃を払うなら、資産が残る家を買いましょう」が35年フル固定の低金利で借りられるマイホーム購入者には通用するのです。

そのため、不動産投資家よりマイホーム購入者に売却する方が、売却金額が高額になる可能性は高いのです。

さらに、住宅を買おうとする母数について考えてみます。不動産投資物件を「買いたい」と思う人はどういう人でしょうか? 「買いたい人」は不動産投資家です。では不動産を買いたいと思っている不動産投資家は全国民の何パーセントいるのでしょうか? 根拠となるデータがないため個人的な予測ですが、多くても5%はいないと思います。もしかしたら1%未満かもしれません。

次に、ファミリー向け分譲マンションをマイホームとして「買いたい」と思う人はどういう人でしょうか? それは不動産投資家ではなく、純粋にマイホームをほしいと思っている人です。ではマイホームを買いたいと思っている人は全国民の何パーセントいるのでしょうか? 総務省統計局の持ち家比率データによると、富山県の79.4%を筆頭に全国平均は61.7%です。このデータから家を所有したい人は50%近いと予測できます。

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この記事を書いた人

マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸経営アドバイザー、防火管理者、損害保険募集人

1970年岡山市生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、転職を繰り返し、6つ目の勤務先として分譲マンション管理会社に就職。2008年から一般財団法人日本不動産コニュニティー(J-REC)広島支部長を務め、12年に投資用分譲マンション2戸を取得。17年に区分マンション所有に特化した専業家主へ転身。趣味はリフォーム、ラグビー観戦。

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