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賃貸経営、暑い季節の重要課題――内見した入居希望者が逃げ出している理由とは (1/3ページ)

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文/朝倉 継道 イメージ/©︎elwynn・123RF

クサイ部屋には誰もが住みたくない 

その昔、賃貸住宅の仲介の現場を、客付け業者として経験したことがある。

その際、口が酸っぱくなるほど、賃貸住宅オーナーへ注意喚起していたことがある。それは、暑い季節の空室のニオイについてのことだ。せっかく入居希望者を内見に案内しても、これひとつですべてが台無しになってしまうことがある。その場にいるのがイヤになる「クサい」部屋になど、誰もが住みたくないためだ。

 「暑い季節は、部屋が臭くなっていないか、空室を頻繁に見に行くべき」

声を大にして、賃貸住宅オーナーに伝えたい。

換気扇周りと排水溝に注意  

夏や、その前後の暑い時期に、空室が臭いやすくなることについては、経験上大きな原因が2つある。

ひとつは、換気扇周りなど、キッチンにニオイの元があるケースだ。頭痛をもよおすような悪臭が漂う、クリーニングを済ませたはずの空室のキッチンで、換気扇グリルの内側が油の海のようになっているのを見たことがある。

調べると、なんと、清掃業者がまったく掃除をしていなかった。グリルを外しもせず、外側だけをサラリと拭き、あとの作業は完全にサボっていたという、あってはならないパターンだった。

もっとも、悪いのはその業者だけではない。管理会社も同様によくない。なぜならば、彼らは清掃業者に「作業は終わりました」と言われ、「はいそうですか」で、チェックを怠ってしまっていた。要は、そういう管理会社だからこそ、いい加減な仕事をする業者も寄り付く結果となる。

さらには、オーナーもよくない。この物件のオーナーは、普段からすべてを管理会社に丸投げし、物件を見に行くことがない。空室が長引いても、理由を探したり、現場の状況を確かめたりといった発想自体をしない、いわば自業自得な人だった。この部屋の場合、換気扇内部の汚れは本当に尋常ではなかった。

おそらく、キッチン側から見える範囲だけでなく、外へ通じるダクト(排気管)の内側にも、油がたっぷりとこびりついていたことだろう。当然、これも悪臭の原因となる。

が、清掃業者がたとえまともな会社であっても、ダクトの中まで掃除をしてくれるとは、期待しないほうがいい。それには専門技術が必要になってくるからだ。

すなわち、オーナーが「キレイにしたい」と言い出さないかぎり、ダクト付き換気扇の奥の部分というのは、ひたすら汚れ続けていくものと理解しておくべきだろう。

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