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物件・部屋の取り合い、縄張り争い…「仁義なき戦い」はもう古い 賃貸住宅オーナーと不動産会社の新たな関係性(2/3ページ)

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慣習を捨てられるかが不動産会社の⾒極め⽅

——古い慣習を捨てる、ITを意識している不動産会社はどのくらいいるんでしょうか。

廣⽥・渡邊:……まだ、あんまりいないですね(笑)。

廣⽥:逆にそこができれば、すごいチャンスですよね。前にも、駐⾞場に隣家の植⽊が伸びてきていて、⼊居者さんの⾞を停める位置が少し前にずれていたことがあったんです。管理会社に、「隣の家に⽊を切ってくれって伝えて」とお願いしたら、「いや、⾞の持ち主からクレームきてないから」と……。クレームがきてないから何もしないではなく、予防措置で先回って考えてくれたり、提案してくれればオーナーとしてありがたいですよね。

渡邊:でもね、忙しすぎてできないんですよね。不動産会社も。管理も客付けもどっちもやってすごく忙しい。でも、オーナーが求めていることは違うんです! だから、管理会社は管理業務に専念できるように変わってほしいですね。

——お⼆⼈が考える不動産会社や管理会社を選ぶポイントを教えてください。

廣⽥:コミュニケーション⼒ですね。

渡邊:そうですね、コミュニケーションがしっかり取れるかどうかは重要ですね。正直、提案⼒とかにはあまり期待していないです。現状でそれを求めるのは酷かなと思いますし。ですが、コミュニケーションが取れないと会話にもならないし、相⼿が何を考えているか分からないのでこちらもやりようがなくなります。

廣⽥:オーナー側も早い段階で決め事を伝えることが⼤事。例えば、修繕でもいくらまでは管理会社の判断でOK。それ以上は必ず相談してとか、相⼿が動きやすいように指⽰をしておく。そして、何か相談の連絡がきたらできる限りすぐに答えを出してあげる。例えば、家賃交渉は内⾒中に⼊居希望者さんを待たせて連絡がくることもありますよね。即決が取れそうなのに「明⽇まで待って」なんて⾔ったら、⼊居希望者さんも逃げてしまうし、不動産会社もやる気をなくしてしまいます。不動産会社に対しての配慮や接し⽅も重要で、「あのオーナーはやりやすい」と思ってもらったほうが得ですよ。

渡邊:しっかり決め事をすり合わせして、それをやってくれる会社を選べばいいと思います。オーナーも「不動産会社はこれをやってあたりまえだ!」じゃなくて、あたりまえと思っていることでも必ず確認する、希望を伝えることは⼤事ですよね。

——管理会社とのやり取りでのエピソードはありますか。

廣⽥:ある部屋を「次の募集は少し家賃を上げてみよう」と管理会社に相談してみたんです。⾃分での相場感も1000〜2000円はあげられるんじゃないかと思っていました。でも管理会社は「いや、いまが限界ですよ」と取り合ってくれなかったんです。でも3年くらい粘り続けて、空室になった時1000円上げて募集したらすぐ決まったんですよ(笑)。それから、その担当者はその成功体験があって、まずやってみようと考えてくれるようになりました。

渡邊:賃貸経営を始めた当初、募集依頼をするために地元の不動産会社を回ったんです。なんせ初めてだったので、不動産会社がどういう反応するのか期待していました。すごく丁寧に聞いてくれる会社もあれば、そっけないところもあって、やる気があるところとないところの差がすごくて衝撃でしたね。これは、⾏ってみないと分からないことですよね。

ほかには、⼤⼿管理会社に管理を依頼していた時、⾃分もいろいろやってみたい時期だったんですよね。壁紙をこうしたいとか、こんな設備をつけたいとか……希望をたくさん⾔いました。でも、⼤⼿だったからなのか、「うちはそういうのできないんですよ」とはねのけられてしまいました(笑)。

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