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賃貸住宅オーナーも注目しておきたい ストーカー・DVに関する2020年の数字(2/2ページ)

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DVの増加が鈍った2020年

次に、「配偶者からの暴力事案等(DV)の相談等状況」を見てみよう。数字は、04年以降ひたすら増加の一途を辿っている。そのうえで、「令和2年(2020)は82,643件(前年比 +436件 +0.5%)とDV防止法施行後最多」となっている。

ここ4年の数字を挙げてみる(カッコ内は前年からの増加分)。

2017年 72,455件(+2,547)
2018年 77,482件(+5,027)
2019年 82,207件(+4,725)
2020年 82,643件(+436)

これを見て、「意外」と思われる人も多いかもしれない。いわゆる“コロナ禍”の20年において、増加はいきなり鈍っているからだ。近隣住人による路上騒音=「道路族」が社会問題になったり、集合住宅内でのクレームが増えたり、世の中のあちらこちら同様、家庭内にもストレスが溜まっていそうだったのに、なぜ……?

昔からあった「道路族」の問題 なぜ深刻化?

これといった理由はいまのところはっきりと見えていないが、ともあれ、「増加が鈍った =歓迎すべき」「数は過去最多 =依然深刻」といえるのはたしかだ。

「配偶者からの暴力事案等の被害者・加害者の状況等」の中からも、数字をひろってみたい。

まずは、被害者の性別。20年においては男性23.6%、女性76.4%となる。DVといえば、暴力を振るう夫のイメージがなんとなく思い浮かぶが、実際には、被害者の4人に1人近くが男性となる。

同じく、被害者の年代別の割合だ。

10代 …1.5%
20代 …23.4%
30代 …27.0%
40代 …22.9%
50代 …11.9%
60代 …5.5%
70代以上 …7.7%
年齢不詳 …0.1%

さらに、加害者。同じく年代別の割合である。

10代 …1.1%
20代 …20.7%
30代 …26.3%
40代 …23.9%
50代 …13.0%
60代 …6.1%
70代以上 …8.8%
年齢不詳 …0.1%

被害者、加害者ともに、20代・30代・40代が、いずれも2割を超え、ボリュームゾーンとなっている。また、この年代といえば、一般的には、ファミリー向け賃貸物件の顧客となりやすい人たちともいえる。

そこで、前述の言葉だ。

「普段から、オーナーと入居者、あるいは入居者同士にコミュニケーションがあれば、悲劇を避けられるなんらかのきっかけを生むのでは?」

この言葉は、賃貸住宅内で起こるDVを抑える目的において、ストーカー被害の防止以上に、より現実的な響きを持つものといっていいだろう。さらには、児童虐待の防止についても、まったく同じことがいえるのではないだろうか。

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