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『新型コロナウイルス』が賃貸経営にもたらす影響は? 〜緊急開催! オンライン大家座談会〜(1/5ページ)

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2020年4月7日に全国で発出された緊急事態宣言は、およそ1カ月半ぶりに解除されました。ですが、感染の危機が終わったわけではなく引き続き3密の回避や、ソーシャルディスタンスを守ること、マスクの着用など基本的な感染対策の継続が必要な状況は変わりません。

賃貸業界では、今はまだ影響が少ないオーナーも多いと思いますが、アフターコロナを想定し対策を行うことが大切だと思います。

大家さんが自ら募集ができる『ウチコミ!』では、著名なオーナーにご協力いただき『大家座談会』を開催しました(開催日:2020年5月26日)。オンラインでご参加いただき、コロナの影響や、現状、これから想定していることなどを伺いました。座談会の模様をお伝えいたします。(聞き手/尾崎 光 文/向園 智子)

繁忙期なし!? 高まるダウンサイジングの需要

――本日は、お忙しい中ありがとうございます! コロナの影響で大変な時だと思いますが、今の経営状況、これからのこと、いろいろと聞かせてください。

まずは、今回ご協力いただいた4名のオーナーをご紹介します。神奈川県に物件をお持ちの廣田 裕司オーナー。大阪府に物件をお持ちの松浦 昭オーナー。愛知県に物件をお持ちの代表 加藤 至貴オーナー。福岡県に物件をお持ちの小場 三代オーナー(順不同)です。

早速ですが、コロナで早い時期からインバウンドの影響が出たと言われている“民泊”についてお聞きしたいと思います。

 

小場オーナー:実は、3月から家族が民泊を始めたのですがコロナの影響でお客様は0だったと…(笑)。もともと福岡県は韓国人が多かったのですが、コロナで韓国人がいなくなり、その後中国人がきて…またいなくなり、今は誰もいない、そんな状況なんですよ。

 

加藤オーナー:私は、他のオーナーから民泊物件の管理を預かっているのですが、やはり全く利用がありません。名古屋でも外国人の利用が多かったんだな、と実感しています。

 

松浦オーナー:大阪も民泊は全滅でした。民泊にしていた部屋を一般の住居に変えて募集するなどの施策を行なっています。

 

廣田オーナー:関東(都内)も壊滅的です。私のところでは一番早く家賃減額の相談がきたのは民泊でした。

 

――インバウンドを狙って民泊経営をされてきたオーナーは、早い時期から厳しい状況のようですね。コロナ後の経営方針も考え直さないといけないかもしれません。ほかにコロナの影響を感じていることはありますか?

 

小場オーナー:私が体験していることではないのですが、法務局での登記が遅れているそうです。完成したのに登記ができないのでローンが進められない、入居付けが進められない状態で困っているそうです。法務局でも受け付けていないわけではないのですが、対応する人数が少ないのでしょうね。時間がかかってしまうようです。

 

松浦オーナー:がんばる家主の会の方で3月くらいに完成した物件が、全19戸あるが入居が2部屋しか決まらず、先の目処が立たない方がいます。一番苦労しているのがローンの返済で、銀行に返済方法の相談をしたりしているそうです。

 

――新築でも入居付けに困る状況なんですね。コロナの影響による自粛ムードが、ちょうど繁忙期にあたってしまいましたね。

 

松浦オーナー:いやいや、今年は繁忙期はなかったですよ!

 

一同:そうですね、なかったですね(笑)

 

廣田オーナー:年明けに少し動いたくらいで、いつもの繁忙期ではなかったですね。GW明けからポツポツと退去が出てきました。理由を聞いたら、コロナで収入が減ってしまいもう少し家賃の安いところへ、というダウンサイジングの需要が多かったですね。それに対して入居の問い合わせがないという現状です。

「行動する大家さんの会」代表 廣田オーナー

 

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この記事を書いた人

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