物件の掃除をするオーナーの深い意図(3/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/11/23
花を飾り季節を飾る。モノを貸す
賃貸住宅をステージに、顧客満足を追求しながら共に事業を行うオーナーと管理会社ですが、両者には大きな立場の違いがあります。それは、そのステージの持ち主であるか否かです。物件の所有者でない管理会社にとっては実行しにくくとも、そうでないオーナーにとっては気軽にやれることで、入居者さんに喜ばれることがたくさんあります。
たとえば、エントランスを花で飾るなどはその代表です。ハロウィンやクリスマス、お正月の飾りつけをするオーナーさんもいます。
費用はどうなる、あと片付けはどうする、といったことを考えると、これらは管理会社にとっては非常に面倒な仕事です。ですが、オーナーさんにとっては簡単なことです。要は、それをやりやすい立場にある人がそれをやればストレスは生じないということです。
賃貸併用住宅や自宅のそばにある物件を運営するオーナーさんが、自転車の空気入れや脚立などの道具を入居者さんに貸し出しているケースも同じです。
積極的なオーナーさんは、管理会社に仕事を任せたならば、そこで生じた時間やパワーを入居者さんのためにどう活かすか?それを次に考えるということです。
以上、ご覧になってみて、「冗談じゃない。物件にも入居者にも、私は一切時間を割きたくない。そのためにお金を払って管理会社に仕事を任せるつもりでいるのに、まるで本末転倒な話だ」
そんなオーナーさんも中にはいらっしゃるはずです。この仕事を「経営」ではなく、純粋な「投資」と考えるスタンスです。それはそれでよいのです。
ですがその場合は、あれこれやることが多くて面倒な賃貸経営を本当に純粋な投資にさせてくれる、優秀なパートナーを選ぶことが重要になってきます。そこで、多くの皆さんが苦労されてもいるわけです。
であれば、そうした優秀なパートナーを見極めるためには、やはり一度彼らと同じ現場に立ち、汗をかいてみるのが一番です。
つまり、物件の掃除をしに行くことです。そこで出会った入居者さんに、管理への満足度はどうか、住み心地はどうかを聞いてみることです。すなわち、とどのつまりこの話は、同じところに落ち着きます。
(文/朝倉継道 画像/123RF)
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