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「家賃がもったいないから家を買う」に、たまには反論してみませんか?(3/3ページ)

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これが、基本的な持ち家のメリットです。加えて過去は、土地価格が上がるか、もしくは維持されることによる資産性というボーナスがここに付随してもいました。

ですが、考えてみてください。いまやこのボーナスは、基本として期待できないものとなっています。限られた一部の場所を除いては。

さらには、たとえば30歳で住宅ローンを払い始め、60歳で完済したとすれば、大家・オーナーである自分は、

・平均寿命まであと20年以上
・「タダでその家に住む入居者」としての自分のために

一生懸命に家をメンテナンスし続けなければいけないわけです。すると、入居者(自分)が90歳、100歳まで生きたとしたら…?

しかも、ローンの返済期間の後半は、入居者としての自分は、築15年超、20年超の古い物件に対し、ひょっとしたら、見合わない高い「家賃」を払うことになるのかもしれません。住み替えを我慢しながらです。

その間、折り合いの悪い隣人が近所に現れる可能性もありますし、家や土地が災害に襲われるリスクもあるというわけです。

そうしたことからいえば、「家賃がもったいないから家を買う」や「賃貸では老後が安心できない」に対し、われわれ賃貸オーナーの側は、そうですねと安易にしょんぼりする必要はなくなります。意外に論理的な反論も、実は出来てくるわけです。

以上は、実際に口に出して主張しても仕方がないことではありますが、ひとつの理屈として、賃貸オーナーさんが胸に秘めていてよいことかもしれません。なお、この反論によりパワーを持たせたいとすれば、鍵となるのは住宅の質です。売買物件に負けない品質を賃貸住宅も持つようになることが大事です。

さらに、賃貸住宅への高齢者の入居に対するオーナー側の意識の変革や、それをサポートする制度等の充実です。そんな課題も、以上の「反論」を通して見えてくるというわけです。

(文/朝倉継道 参照元/株式会社スタークラフトプレスリリース)

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この記事を書いた人

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