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「家賃がもったいないから家を買う」に、たまには反論してみませんか?(2/3ページ)

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そのロジックとは…「家をローンで買う。それすなわち、家賃で家を借りることと同じである」です。つまりこういうことです。家を毎月支払うローンで買うという仕組みは、分解すると、

・自分という入居者が
・自分という大家さんに
・毎月家賃を支払ってその家に住むのとほとんど意味が変わらない

のです。

なぜなら、どちらも同様、月々の住居費を払い続けられなければ、そこには住んでいられなくなるのですから。これ、実はヘリクツでもなく、「帰属家賃」という、学問的な理論に概ね沿った考え方です。GDP(国内総生産)や、消費者物価指数の計算に使われます。

帰属家賃の考え方では、持ち家に住んでいる人と、家賃を払って家を借りている人をより分けしません。持ち家に住んでいる人も、その物件に相応する家賃を払っている(価値~言い換えれば消費が継続的に生じ、そのための対価が支払われている)とみなすのです。

そうしなければ、住宅を建てる・買うという多大な投資の結果、持ち家が生産することとなった価値がゼロになってしまうのです。すなわち、GDP等に積み上げることができません。さらには、そうしておかなければ、持ち家から賃貸へ住み替えた場合、いきなりゼロから脈絡もなく、価値が生じてしまうことにもなります。

「だったらその人は何の生産による価値をそれまで享受・消費していたの?」と、いうことになり、計算上具合がよくありません。そんな風に考えると、月々の住宅ローンの支払いというのは、ますます家賃と本質が同じです。

なので、「家賃がもったいないから家を買う」は、ローンを支払っている間は、実は成立しないといってよい言葉です。(と、筆者は考えます)

ではなぜ、賃貸は「もったいない」のかといえば、持ち家の場合、ローンの支払いが終わったあと、建物と土地(マンションの場合は持分)が手元に残ります。賃貸にはこれがありません。

先ほどのように分解すると、

・大家である自分が(自分から貰う家賃を元手に)ローンを完済することで
・入居者である自分は、以降、家賃ゼロでそこに住み続けられるようになる

のです。

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この記事を書いた人

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