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弱者が強者に勝つ

ランチェスター式賃貸経営(3/3ページ)

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『クロスコート向ヶ丘』で提供される料理の献立

『クロスコート向ヶ丘』の特徴はなんといっても料理人と管理人がいることだ。

入居者は朝食を200円、夕食を500円で食べることができ、必要によってはお弁当も作ってくれるという。入居者からするとこれほど嬉しいサービスはないだろう。若い人であれば外食も多く、栄養も偏りがちだ。『クロスコート向ヶ丘』で提供されるのは、日本料理の経験もあり、大手自動車メーカーの社員寮の調理師としても活躍していた“ノブくん”が作る栄養バランスのとれた食事なので安心だ。そして何かあったときは“管理人である“ハルミちゃん”が助けてくれる。これほどの特徴をもった物件であれば人気ですぐに埋まるだろう。

「じつはものすごく苦戦しました。この『クロスコート向ヶ丘』は2018年の1月に空き家の状態で購入したのですが、改修工事に入ったのは同年の3月で、段階的にリフォームを終えた部屋から普通のアパートとして順次募集を開始したのです。そして年末にいまのシェアハウスと下宿的なものを取り入れ、自主管理にしたのですが、結局5室しか埋まらなかった。仲介会社の方もなかかなこのような特殊な物件の魅力を内見者に伝えることができないんですよね。そうなると私がみずから物件の魅力を伝えるしかありません。『ウチコミ!』を使って成約したり、完全なシェアハウスではないのですが許可を得て、シェアハウス専門の『ひつじ不動産』で募集したところ成約が加速していきました。現在は満室で空室待ちの方が2名ほどいます。募集した当初は3万5000円程度の家賃でAD2ヵ月、フリーレント1ヵ月付けても人が来なかったのですが、いまでは家賃を約5万円にして満室になっているので、ランチェスターの弱者の戦略である『差別化』が功をそうしたのです」(夏山オーナー)

まさに弱者逆転のランチェスター式 不動産投資成功術を体現した『クロスコート向ヶ丘』。じつはこの物件にはネパール・ベトナム・中国・台湾・韓国、そして日本とさまざまな国籍の人が住んでいて、『クロスコート向ヶ丘』そのものが国際交流の場になっている。戦争における数理モデルである「ランチェスターの法則」とは裏腹に、そこには賃貸住宅の心暖まる新たなハーモニーが芽生えていた。

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この記事を書いた人

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