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真夏の炎天下にエアコンが故障

入居者さん緊急避難!改正民法施行後はどうなる?(2/3ページ)

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改正民法では賃料減額が必要です

さて、以上のとおりご紹介した、ある男性入居者さんの身に起こった悲劇ですが、われわれ賃貸オーナーは、これにかかわってある大事なことを知っておかなければなりません。

それは、来年(2020年4月1日)に迫った改正民法の施行です。611条にこうあります。

「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」

この条文、改正前はこうなっていました。

「(前略)賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる」

つまりこういうことです。改正民法施行後は、賃借人による請求がなくとも、賃料は当然に減額されるのです。ちなみに、この新たな611条の説明の際、よく例として挙げられるのがエアコンの故障です。

すなわち、今回紹介した事故のような場合、改正民法施行後であれば、男性は、請求の必要もなく当然に賃料の減額を受ける権利を得ることになるわけです。

なお、男性曰く、「忙しいので今回は賃料減額請求などしない」とのこと。新品の扇風機だけをありがたく頂戴し、コトを収めるということです。

ですが、来年4月以降となれば…、われわれオーナー側はそれに甘えているわけにはいきません。

次ページ ▶︎ | 賃料減額の度合いは?

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