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怒りのご近所さんが物件にゴミを放り込んだ!

オーナーさんの選んだ解決策とは?(3/3ページ)

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この結果を見て、オーナーさんはあらためて気づいたそうです。それは、「入居者さんはお客様なんだ」ということです。Aさんのアドバイスに対し、実は当初、オーナーさんの気持ちの中にはかなりの抵抗感がありました。


「ルールを守らない一部の人間のために、なぜこちらがへりくだらないといけないんだ?」


とはいえ、そんな正論をいくら振りかざしても、おそらく問題は解決しません。


そこでオーナーさんは、こう考えてみることにしたそうです。


「思えば、決まった時間に集積所までゴミを出しにいかなければならない私の物件は、そうでない物件に比べて、サービスの面では劣っているということになる」


「お客様である入居者さんに、私はご不便をおかけしているんだと考えよう。その分、私も汗をかこう。そうすれば、想いは伝わるのかもしれない」


結局は、それが見事に、求めていた結果に結びついたということです。その後、Aさんからは、こんなアドバイスがあったそうです。


「入居者さん全員にあててオーナーさんから手紙を書いてください。内容は、ゴミ出しルールを皆さんがしっかり守ってくれていることへのお礼と、旅行などが収集日にぶつかった際は、ゴミはオーナーが預かるのでいつでも連絡をしてくれとの呼びかけです。そのうえで、黒板でのコミュニケーションは月3回程度に減らしてよいでしょう」


さらに、こんな添え書きもされていたそうです。


「なお、安心してください。オーナーにゴミを預けるという人は、実際はほとんど出てこないはずです。なぜなら、オーナーさんの気持ちに対して、『この人に迷惑はかけられない』とのスタンスで応えるかたちが、いまは皆さんに出来上がっているからです」


本当にそのとおり、ゴミを預けたいという人は、その後出てこなかったそうです。


(文/朝倉継道 画像/123RF)

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