日本に住む外国人入居者さんとの上手な「約束」のし方とは?(3/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/08/18
1.騒音
騒音に対し、苦情が起こるのは万国共通のことです。大抵どの国の人でも、ルールとその必要性についてはしっかりと納得してくれます。ただし、すれ違いが起こりやすいのは、騒音に対する苦情への理解です。日本の社会では、多くの国とは違ったタイミングで苦情が示されやすいことをぜひ認識してもらいましょう。
日本では、苦情が表面に出てしまったときには、相手の怒りはすでに頂点に達していることが多いのだということです。
「言われてから直す」「言ってくれたらやめていた」ではなく、「言われる前からやらない」を心がけないと、日本では知らないうちに周囲の怒りを呼んでしまい、それが蓄積し、やがて爆発します。われわれの社会の怖い(?)ヒミツを伝えてあげてください。
さらに個別には、物件内で携帯電話を使って話すときの声について注意をするよう指摘してあげるとよいでしょう。多くの外国の皆さんは、日本人に比べるとかなり元気過ぎる声で、電話で話します。
2.原状回復
日本人以上に、原状回復に関してトラブルとなる例が、外国人入居者の場合多いとも聞かれます。たしかに、キズや汚れに対する日本人の感覚は、多くの外国人にとって厳しすぎることも事実のようです。
そこで、ぜひ利用したいのが、国交省のガイドラインです。内容はもちろん、ほぼ日本人の感覚にもとづいたものとなっています。このガイドラインの存在を示したうえで、「日本では原状回復について国の定めた公平な目安があります。これに従って運用しますよ」を約束するわけです。
「キッチンが油まみれで、クリーニング代が莫大です。多少の負担をいただきます」
「私、〇〇人なんだから油の多い〇〇料理を毎日つくるのは当たり前でしょ?なんでこっちに負担が来るの!」
そんな、カルチャーの違いによる終わりのない言い争いを初めから埒外のものにしておくかたちです。
(文/朝倉継道 参照元/阪急阪神不動産株式会社プレスリリース)
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