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自分の物件は今いくらで売れるんだろう?

そんな意識を忘れないことこそが「出口戦略」です(2/3ページ)

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それはご存知、成約の遅延です。不動産は株のように即現金化できるものではありません。買い手が付き、価格が折り合うまでに、数ヵ月、ときには1年を超えるような長い時間を要するケースもあるのです。今回のケイアイスターさんの提案は、そういった先の見えない不安を解消してくれるアイデアともなっています。


なお、この仕組みにより買い取られた住宅は、ケイアイスターさんによって、中古住宅として再販売されることになっています。


つまり、そこでちゃんと買い手がつかなければ、ケイアイスターさんとしては要らない在庫をかかえることになるわけです。中古でしっかりと売れる家、すなわち経年劣化しにくい質の高い家が当初から供給されることへの期待が、一応持てるのかな?と、いったかたちです。今後の推移を見守っていきたいサービスのひとつといえるでしょう。


一方、賃貸住宅の場合はどうでしょうか。


「売る時のことも考えて買う」は、賃貸住宅ではさらに大事な要件となってきます。よくいわれる出口戦略の重要性です。出口戦略のことばかり考えすぎるなという意見もありますが、まったく考えずにいるのはもちろんNGです。


出口戦略に重きをおかない派の皆さんは、遠い未来の物件売却益がどうなるかということよりも、いま現在のキャッシュフローに注力すべきだと説かれます。


これは真っ当な意見です。なぜならば、たしかに賃貸オーナーさんは、短い期間内での利益の確定に追われる投資ファンドのような立場にはありません。通常は長期のローンを基盤に賃貸経営を行っています。長期のローンを利用しているということ、これ、すなわち債務における「期限の利益」を享受していることになりますから、この間、キャッシュフローが回れば回るほど、期限の利益(債務の完遂をあと伸ばしにできる時間上の利益)はより活かされていくことになるわけです。


とはいえ一方で、賃貸住宅への投資には、いわば「生もの」に投資をしているような側面があります。生ものとはズバリ建物のことです。土地は基本的にそうではありませんが、建物は、まさに生もののように日々刻々と劣化していきます。

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この記事を書いた人

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