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日本の不動産を買う韓国人投資家が増加中!(2/3ページ)

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一方、日本国内では、複数の不適切融資事件の影響もあって、不動産向け融資の蛇口がここ最近は絞られたままです。個人が不動産投資へ参入するハードルが若干高められているかたちです。


そのため、急増する韓国人投資家は、業界にとってはありがたい存在となっています。しぼんだマーケットを少しでも膨らませてくれる助け舟ともいえそうです。


ところで、韓国・不動産、といえば、韓国の賃貸住宅市場には面白い取引慣行があるのをご存知でしょうか。それは「チョンセ」と呼ばれる独特の保証金制度です。漢字で書くと「伝貰」です。


このチョンセの面白いところ、それは入居者がタダで賃貸住宅を借り、タダで住んでしまえるという仕組みです。なおかつ、オーナー側もちゃんとその間収入が得られます。


からくりは預金金利にあります。チョンセ物件では入居者がオーナーに高額の保証金を預けます。その額はオーナー側の思惑や市場によっても左右されますが、物件価格の50%、70%といった数字も普通に見られます。ですので、分譲型のマンションを貸し出す場合などは、日本円にすると数千万円規模になることもよくあります。入居者は、それをオーナーに預けておくことで、契約期間内はタダで物件に暮らせるのです。そのうえで、契約期間が終了すれば、保証金はそのまま入居者の手元に返ってきます。


一方、オーナーは、保証金を預かっている間、それを銀行に預けます。ねらいは利息です。なにぶん高額な預金となりますので、家賃に相当するか、あるいはそれ以上の十分な収益を生んでくれるというわけです。


つまりチョンセでは、入居者は、自分が銀行に預けていれば得られるはずの利息を家賃としてオーナーに譲るかたちをとるわけです。ただし、その分は文字どおりの不労所得でもありますので、何となく得をする感じがしないでもありません。そのため、韓国でチョンセを一度でも経験した日本人など、「毎月家賃を支払うのが大変無駄に感じるようになる」、そんな感想を持たれる方もいるようです。


なお、チョンセの保証金を預けるのに、自己資金が足りない場合、親や銀行から借金をする例もあるということです。その場合は、利払いの必要な借り入れに対する利息分が、実質的な家賃となる計算です。

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この記事を書いた人

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