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早期退去の有力原因!

残念な部屋づくりは、お任せ・丸投げ・無関心から生まれます(2/3ページ)

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ところで、こうした家づくりの結果を問うアンケートをご覧になっていて、賃貸オーナーである皆さんの胸に、何か不安が湧き上がってくるということはないでしょうか?


「ある」とすれば、その内容は以下に記すことと多分一致しているにちがいありません。ですが、「不安など感じない」ということであれば、ぜひこのことを思い浮かべてください。賃貸住宅では、部屋づくりの失敗をオーナーさんは基本として「認識できない」のです。


なぜならば、当然ですが、オーナーさんはそこに住んではいないからです。住んでみてわかる失敗を経験することができないのです。


たとえば、こんな事例があります。ある単身用のワンルームです。ある程度予算が投じられた物件のため、ベランダの掃き出し窓が複層ガラスになっています。居室にあるもう1枚の窓も同様です。しかも、サッシはどちらも内側が樹脂製になった仕様です。


ご存知のとおり、サッシに樹脂を使用した複層ガラスは断熱性に優れています。低予算で済む1枚ガラスのアルミサッシに比べ、入居者さんにとってはかなり大きなメリットです。


ところが…!


一方でこの部屋には大きな問題がありました。もう1ヶ所、キッチンスペースに設けられた窓が、薄い1枚ガラスのアルミサッシなのです。キッチンスペースは玄関と一緒なため、そこには玄関ドアもあるのですが、こちらも断熱性には乏しい仕様です。


しかも、もっとも残念なこととして、この部屋ではキッチンスペースと居室を隔てる部分にドアが設けられていないのです。これでは頭に帽子をかぶり、上半身にセーターを着込みながら、下半身は素足にショートパンツで冬を過ごすようなものです。居室側に性能の良い窓がおごられている意味がまるでなくなってしまいます。


夏も同様です。エアコンをかけても効果はおそらく半減です。その結果、「冬寒くて夏暑い。やっぱり賃貸は早く卒業したいです」…それが、この部屋に実際に住んでいらっしゃった入居者さんの声です。


こうしたチグハグな結果は、物件を建てる際、オーナーさんが建物に関心を払わず、事業者にお任せ・丸投げをしてしまうことでよく起こります。ですが、そもそも施主はプロではありません。同じようなことは自宅を建てる際も当然起こりうるのです。

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この記事を書いた人

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