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大手も危険領域に。

バブルは間もなく崩壊!? 知っておきたい2020年以降の不動産市場(2/3ページ)

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大手は借金をし過ぎているのか

そのうえで、今回の「S&Pグローバル・レーティング」が示したリポートは、以上とは別の角度から見える危機を指摘しています。大手不動産企業における財務レバレッジが、今後も上昇し続けるというのです。これは、長年続く低金利が今後も継続される見通しをふまえてのことでしょう。なお、ここでいう「財務レバレッジの上昇」とは、平たくいうと借金への負担が重くなることを意味します。冒頭に名前が挙がったような不動産大手各社は、今後、危険なほどの負債過多の状況に陥るのではないかという予測です。


そこで、「では新たな借金を抑えてどんどん返せばよいではないか」ということになりますが、それについては景気減速が足を引っ張るだろうというのが、今回のS&Pグローバル・レーティングの見方のようです。前記ブルームバーグの報道によれば、S&P社は、その要因として製造業を中心とする企業業績の悪化や、2020年と2023年に東京に訪れるオフィス需給問題を懸念材料に挙げています。


もっとも、このうちオフィス需給における2020年問題については、現在、ほぼ解消が見込まれています。「都心のオフィス需要が供給を下回る」との見通しが以前より不安視されてきたこの問題ですが、足元の空室率から見て、来年の危機を予測する声は、いまはほとんど聞かれない状況となっています。となると、こちらもかたちとしては健全といえそうです。インカムゲイン主義による手堅い実需が、市場の不安を見事に払しょくしつつあるものといえるからです。


そうしたわけで、とりあえず「健全」で「堅固」な様子を見せているいまの不動産バブルに、目の前に迫る危機は存在するのでしょうか。今回のS&P社の見方に対しては、おそらく意見が分かれるところでしょう。むしろ、国内よりも国際情勢の方に、警戒すべき火種が多いと見るほうが多数派かもしれません。

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