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住宅ローンを抱える人は必読!

住宅ローンが減免!? 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」とは?(2/2ページ)

横山晴美横山晴美

2016/09/30

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ガイドラインがどこまで普及するか

適用を受けるためには、財産があれば売却する必要があったり、複数の金融機関が関係している場合は、すべての借り入れ先の同意が必要であったりと、決して簡単な手続きではありません。またどんなに迅速に手続きしても、適用までには3〜6カ月程度かかりそうです。

金融機関としても制度を適用するかどうかは慎重に見きわめなくてはならないため、時間がある程度かかるのはしかたないかもしれませんが、普及のためにはよりスピーディーな対応が望まれます。

たとえば、現状では返済が停止となるのは債務整理が開始されたときとなっていますが、それを申し出の時点にまで早める、債務整理内容のひな型を用意するといった改善を期待したいところです。

団信や地震保険で被災に備えよう

住宅ローンを抱える人にとっては大きな意義のあるガイドラインですが、被災時には緊急の支援がほしい場合もあるでしょう。そういった場合に利用できる支援制度やリスク対策法をご紹介しておきましょう。

●住宅補修の公的支援
 被災時には条件を満たせば「災害弔慰金」や「災害援護資金」などのほか、「生活復興支援金の貸付け」が受けられます。生活復興支援金では住宅補修費として上限250万円の貸し付けが受けられます。ガイドラインと併用できれば家計の負担は大きく減るでしょう。

●火災保険・地震保険
 多くの火災保険は、火災だけなく水害や落雷など一定の事前災害も保険範囲に含まれます。ただし、火災保険では地震を原因とする火災・津波などは対象外です。加入するならば、火災保険だけでなく地震保険にも加入しておきましょう。また、火災保険では家だけでなく、家財にも保険を掛けておけば万全です。

●各種保険
 残念ながら災害時には死亡リスクも高まります。死亡や病気の際、保険金で住宅ローンを完済する団体信用生命保険(以下:団信)は、ローン名義人はほぼ加入していますが、名義人でない配偶者の備えもしておきましょう。

まだ始まったばかりの制度のため、使い勝手がいい制度かどうか、まだまだ不透明な部分があります。とはいえ、いまのうちに制度内容を知っておいて損はありません。被災時は周辺も自分自身も混乱することと推測されます。平素の備えをしておくことで、より早く生活を立て直せるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ライフプラン応援事務所代表

ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー。企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。 「自分の家計は自分で守る」をモットーに、丁寧でわかりやすい面談が好評。 また、給付金や控除など、消費者のための制度を調べるのが得意で、「ここが使いにくい」「誰のための制度なのか」などとケチをつけるのが好き。

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