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「Zoom」「Clubhouse」に差す憂鬱な影…急成長の一方、はめられた重いくびき(2/2ページ)

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自己矛盾を抱える中国


急激な広がりをみせるClubhouse

そんな中、「米国企業と中国」というキーワードのもと、いまにわかに注目されているのが、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」だ。

日本でアプリがリリースされたのが、今年の1月23日。その後、爆発的にユーザーを増やしている。しかしながら、このClubhouseにも、ズーム社を苦しめるのと似た影が差している。Clubhouseは、アメリカ企業の「商品」ながら、重要な中身は、ほとんどが中国製であるとの指摘を受けている。運営元はアメリカのAlpha Exploration(アルファ・エクスプロレーション)であるが、実際には、音声処理技術に優れるAgora(アゴラ)という会社が、プラットフォームの構築、システム管理の中枢を担っているとされる。

このアゴラ社、アメリカと中国の両方に本社を置いている。そのため、アメリカ・スタンフォード大学の研究チームが、レポートで注意を促すかたちとなった。その内容はクラブハウスが手に入れるユーザーデータが、アゴラ社を通じ、中国当局の手に渡る可能性などについてだ。

一方、当の中国では国内でのClubhouseによる通信が突然遮断された。2月8日のことだ。クラブハウスが香港や、新疆ウイグル自治区の問題など、政府が怖れる話題のメッカになっていたことによる措置とみられている。

中国では実に複雑なことが起きている。つまり、優秀な自国企業が基盤をこしらえた世界を席巻する可能性のあるサービスを、当の政府が巨大な国内市場をもちながら自国内で使用不可能にするといった何ともちぐはぐな自己矛盾だ。

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