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「選手村マンション」の今後は? 晴海フラッグ引き渡しの遅れに民事調停申し立て(2/2ページ)

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晴海フラッグ 投資の視点ではどうか?

ところでこの晴海フラッグ、投資家の視点から、いま静かに眺めているという人もいるだろう。

思わぬいわくつき(?)の案件となった当物件をめぐるさまざまな予測の中、転がり方によっては、今後分譲される残り住戸の価格が下がっていくのではないかとの見方もある。

対して、「先行して契約したお客様がいる手前、そうはいかない」との意見もあるが、なにしろこの件、4年後であるとか、5年後であるとか、全体がスパンの長い話になっている。

タイミングによっては、すばらしい眺望に恵まれた都心の隣接地に、格好の価格で、大面積の投資物件を手に入れられるかもしれない…。そこで、晴海フラッグが、投資先として魅力があるのかどうかだ。これは本当に予測できない。

なにしろ、本物件は外形的にはバス便マンション。都営大江戸線「勝どき」駅から、近い棟で徒歩16分、遠い棟では21分という駅近とはいえない距離だ。

ただし、そのバス便については、「東京BRT(bus rapid transit)」という、停留所の少ない新式のシステムが稼動する。これがしっかりと機能すれば、銀座・約2.5km、東京駅・約3.3kmという、晴海フラッグ自慢の直線距離が活かされる。

しかし目下、市場の方は、この東京BRTをあまりあてにしていない雰囲気も垣間見える。2度と出合えない物件と、飛びつく人もいる一方で、上記第1期の分譲については、「駅から遠い物件相応に、坪単価の安さがありつつも販売はさほど堅調ではなかった」と、冷静に評する意見もある。

とはいえ、その「駅遠」のデメリットについては、今後、社会的な環境がこれをカバーしてくれるかもしれない。

リモートワークの拡大だ。

大都市湾岸を望む壮大な眺望や夜景、足元に広がる商業施設等の利便性、緑濃いランドスケープに包まれたリゾートの雰囲気、そしていざというときの都心へのアクセス、特長であるところの多くの住戸における面積の広さ(最多住戸専有面積帯85㎡台)など、これらが揃う晴海フラッグは「無敵のリモートワーク拠点だ」という業界関係者の声も聞こえてくる。ただし、全体の敷地が広大なため、どの場所に建つ棟の住戸かで、将来価値には差も出るだろう。

さまざまな意味で今後どうなるのか?  何かと話題の晴海フラッグの行方が気になる。

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