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札幌の民泊管理会社TAKEが破産申請 逆風続く民泊マーケット、コロナ廃業も続出(2/2ページ)

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以下は、20年の延べ宿泊者数、いわゆる人泊数(宿泊人数×宿泊数)と、前年19年のそれとの比較になる。こちらも観光庁による数字となる。

2019年2~3月 747,656(人泊・以下同じ)
2020年2~3月 421,568

2019年4~5月 933,194
2020年4~5月 117,855

2019年6~7月 1,010,308
2020年6~7月 157,212

2019年8~9月 972,973
2020年8~9月 241,272

2019年10~11月 860,185
2020年10~11月 210,396

このように、特にコロナ禍によるインバウンド・国内旅行への影響が本格的なものとなってからは(2020年4~5月分以降)、ケタ違いの規模で数字が落ち込んでいる。

これでは、「収益が見込めず廃業」する事業者が続出するのも無理はなく、20年における住宅宿泊事業(民泊)届出住宅数(届出件数-事業廃止件数)の推移を見ても、

4月10日時点 …21,385

をピークに、その後は徐々に下がり続け、

12月7日時点 …19,768

1,600を超える減少となっている。なおかつ、年をまたいで1月12日(21)時点では、数字はさらに下がり19,570となっている。

届出は残っていても、実際には稼働停止もしくはそれに近い状態を余儀なくされている物件も、おそらく少なくないだろう。

少し前まではシェアリングエコノミー時代のエースとして、まさに脚光を浴びていた民泊だが、現在はコロナ禍という誰もが予想していなかった寒風にさらされ厳しい状況に置かれている。

しかしながら、コロナ禍は、一方でわれわれの働く環境の中に、テレワーク(在宅勤務・リモートワーク)という新しいムーブメントを拡大させるきっかけともなり、さらには、ワーケーション(労働と休暇の融合)の概念が、日本のビジネス社会に持ち込まれる土壌をこしらえる一助ともなっている。

これら、新しい働き方、あるいは生き方は、大小のワーキングスペース需要を生む意味で、いずれも民泊との関わりが浅くないものだ。

コロナ禍が去ったあとの民泊、もしくは、コロナと付き合い続けるウィズコロナ時代においての民泊は、単なる旅行のための宿泊場所ではない、これまでと違ったかたちをわれわれに示してくれるのかもしれない。

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