ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

『MOTHER マザー』/実話を元にした不愉快な物語であっても、目が離せない長澤まさみの演技(2/3ページ)

兵頭頼明兵頭頼明

2020/07/01

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

アテが外れゲームセンターで酒を飲んでいた秋子は、そこでホストの遼(阿部サダヲ)と出会い意気投合。周平を学校にも通わせず、遼と出かけたまま何週間もアパートを空けるようになりついに電気もガスも止められた。秋子と遼は一計を案じ、以前から秋子に気があった市役所職員の宇治田(皆川猿時)を脅して金をゆすろうとするが、遼は誤って宇治田を刺してしまう。これが一家の逃亡生活の始まりであった。

逃亡生活の途中、秋子は妊娠するが、遼は自分が父親だと認めず二人を残して去ってゆく。秋子はラブホテルの従業員(仲野太賀)と関係を持ってホテルの敷地内に居候し、周平を母・雅子のもとへ向かわせて金を無心するが雅子からは絶縁を言い渡される。

5年後、17歳になった周平(奥平大兼)は学校にも行かせてもらえず、妹の冬華の面倒をみる毎日。秋子は相変わらずで働く気はない。金も住む家もなくなった3人に手を差し伸べたのが、児童相談所に勤務する亜矢(夏帆)であった。亜矢の尽力で一家は簡易宿泊所に寝泊まりできるようになり、周平は学ぶことの楽しさを知り始めたが、安らぎの時間も束の間、借金を背負った遼が舞い戻ってくる――。

2014年に埼玉県で起きた17歳の少年による祖父母殺人事件を元に、フィクションとして構成された作品である。

次ページ ▶︎ | 最後まで目が離せないのは、スターである長澤まさみが演じているから 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

映画評論家

1961年、宮崎県出身。早稲田大学政経学部卒業後、ニッポン放送に入社。日本映画ペンクラブ会員。2006年から映画専門誌『日本映画navi』(産経新聞出版)にコラム「兵頭頼明のこだわり指定席」を連載中。

ページのトップへ

ウチコミ!