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家賃、値下げ交渉…同じ物件なのに差がある――モヤモヤ不公平感にお答えします(2/2ページ)

大谷 昭二大谷 昭二

2021/03/04

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近所に迷惑施設、事前説明が必要では?

Q.物件が気に入って入居してみると、近くに迷惑施設。事前に説明がなかったので、不動産業者をただすと「重要事項として説明する項目ではない」と一点張り。納得できません。

A.宅建業法第35条1項によれば、重要事項として説明すべき事項として、登記簿上の権利関係、法律に基づく制限、水道ガス電気などの整備状況、賃料のほかかかる費用についてなど、さまざまな事項について、法律で「必ず説明すべき事項」として定められています。

不動産業者は、法律上明記された項目の中に、「迷惑施設うんぬんという言葉がない」ということで、説明しなくてもよいと考えているのかもしれませんが、法律をよく見ると、第47条1項に「重要な事項の告知義務」を定めています。

これは35条の法律上、具体的に明記されている事項以外でも、契約するかどうかを判断するときに大きな材料となる事項については、「重要な事項」として、必ず説明しなければならないとされているのです。

具体的には、過去に自殺や火災などがあった物件については、35条の「重要事項」ではありませんが、47条の「重要な事項」にあたるため、必ず説明する必要があります。

そこでご相談の「迷惑施設」ですが、ひとくちに迷惑施設といってもいろいろなものが考えられます。その内容と距離がどの程度であったかによって、「契約するかどうかの判断材料として重要なポイントになるかどうか」が問題となります。この点で、業者の言い分が正しかったかどうかを見極める必要があります。

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この記事を書いた人

NPO法人日本住宅性能検査協会理事長、一般社団法人空き家流通促進機構会長 元仲裁ADR法学会理事

1948年広島県生まれ。住宅をめぐるトラブル解決を図るNPO法人日本住宅性能検査協会を2004年に設立。サブリース契約、敷金・保証金など契約問題や被害者団体からの相談を受け、関係官庁や関連企業との交渉、話し合いなどを行っている。

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