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住宅ローン金利は交渉すれば下げられる!

住宅ローンの金利引き下げ交渉はどうやる? おすすめのタイミングはあるの?(3/4ページ)

牧野寿和牧野寿和

2017/04/27

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借り換えと比較検討してみる

住宅ローンの金利を引き下げるためには、金融機関との金利引き下げ交渉と並んで、借り換えも有効な手段です。そこで、借り換えをした場合と、金利の引き下げをした場合とで、どちらがお得といえるかを検証する必要があるでしょう。

借り換えの場合、別の金融機関で新たな借り入れをすることになります。そのため、融資審査を受けなければなりませんし、事務手数料などの諸費用が必要です。また、現在、借り入れている住宅ローンの繰り上げ返済にかかる諸費用も必要となります。

こうした借り換えに必要な費用を含めて、実際にシミュレーションをして借り換えと、金利交渉の効果を比較してみましょう。

まず、借り入れの条件は以下の通りとします。

【借入期間】35年   【金利タイプ】全期間固定型
【金利】1.5%    【融資額】3000万円
【毎月の返済額】9万1855円(ボーナス月返済なし)
【返済総額】約3857万円(うち利息分:約857万円)

今回は、借り入れから10年が経過した時点で、金利交渉を行まった場合、借り換えを行なった場合のそれぞれについて、比較してみましょう(図表1)。

ちなみに、10年経過した時点での、借入残高は約2300万円、残りの返済期間は25年間となります。この状況で、交渉して金利が1.0%になった場合【1】、借り換えをして金利1.0%になった場合【2】、同じく借り換えで金利が1.35%になった場合【3】]について比較しています。


(図表1)金利交渉した場合と借り換えした場合の比較

表を見ていただければおわかりかと思いますが、融資を受けている金融機関と交渉して、金利を0.5%下げることができれば、約155万円の返済額軽減を図ることができます。

一方、借り換えの場合は、同じく金利が1.0%になれば、約155万円の返済額削減を図れますが、諸費用として約50万円が必要になるので、差し引き約105万円の軽減効果となります。

また、借り換えをしたとした場合でも、あまり金利を引き下げられなかった場合には、返済軽減額よりも借り換えの諸費用のほうが大きくなってしまう場合もあります。

諸費用の負担を考慮して、金利交渉と借り換えではどちらのメリットが大きいかシミュレーションしてみることをおすすめします。

次ページ ▶︎ | 交渉のタイミングはいつがおすすめか

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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