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60代がもっとも多い孤独死

原状回復にはいくらかかる?(2/3ページ)

平野 敦之平野 敦之

2019/06/28

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孤独死の現状

孤独死というと単身の高齢世帯をイメージするケースが多いでしょうが、実態は必ずしもそうとは言い切れません。「第4回孤独死現状レポート 一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会(2019年公表)※」によると孤独死における死亡時の平均年齢は男性が61.4歳、女性が61.0歳で、男女の比率は8:2と男性が中心です。

孤独死した人で男性の場合、60代の割合が32.9%、70代は23.4%と半数を超えています。80代以降は一桁台となり、50歳代以下(20~50歳代)でも全体の40%弱と低い数字ではありません。

女性の場合、平均寿命が長いこともありますが、80代以降は17.5%、60代・70代までの2つの年代を足して41.1%です。50歳代以下は40%くらいです。

誤解されがちなことですが、孤独死は必ずしも高齢者に限った話ではないということです。高齢者に限らず単身世帯の場合、病気で容体が急変した際、自分で救急車を呼べないことや自殺などもあります。

孤独死による損害額

火災や自然災害などとは違うため、孤独死が発生することで建物が消失するリスクなどはありませんが、修理すれば済むという話でもありません。先ほどと同じ統計から、孤独死の発生によって負担のあった金額を確認すると次のようになっています(千円未満切り捨て)。

・残存物処理費用
平均損害額214千円 最大損害額1,781千円 最小損害額 1千円

・現状回復費用
平均損害額361千円 最大損害額4,158千円 最小損害額 5千円

なお家賃保証費用については損害額の平均や最大・最小のデータは出されていませんが、支払われた保険金の平均は321千円になっています。

最大値と最小値を比べるとかなりばらつきがありますが、孤独死の場合は発見が遅れるとどうしても被害が拡大します。事故の発生が夏の暑い時期か冬かなど季節的な要因も被害の大きさに関係してきます。

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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