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民泊法、施行2か月でなにが起きているのか

宿泊業のほうが民泊よりもハードル低い?(2/3ページ)

川久保文佳川久保文佳

2018/09/05

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ポータルサイトの企業的責任とは?

民泊をけん引してきた民泊サイトの“Airbnb“ですが、施行後、大きな失態を招いています。登録時点の確認の不十分さから、偽の届出番号でサイトへ登録が可能だったために、数多くの非正規の民泊が掲載されていました。現在は精査し、正常になりつつあります。
7月から8月の旅行客の訪れる繁忙期であったにも関わらず、正規の登録番号を取得した物件の中にはサイト運営側が誤ってサイト内から削除されてしまうといった被害を受けた物件もあり、8月末になっても、まだ混乱が続いています。

さらに、海外からの利用者に対して、1週間前に一方的な解約を通知する事態になるなど、突然のキャンセルに戸惑う訪日外国人も多く、今までの信頼がゆらぐ結果を招いています。

システムの構築後、型にはまったマニュアルで、効率を重視した画一的な運営になっているIT系企業中には、こうした仕組みによって、ルーティーンワークで高利益率を出している企業も多くあります。しかし、その運用責任の責任については、いつの間にか利用者に転嫁しています。実際の細かな運用やイレギュラー対応などを行うのは顧客と対面するオーナーで、リスクはポータルサイトの運営者ではなく、物件を運用している側と利用しているゲストなってしまっているというのが現状です。

そのため東京都内で減少している民泊物件ですが、このような動きをいち早く察知して、東京から京都での旅館・ホテル営業や大阪の特区民泊へ切り替えた業者もあって、こうした業者は、現在も健全に運用を行っています。その一方でこうした東京の民泊の運用を代行している企業や清掃会社などは、いきなりの収益源で閉鎖や撤退なども増えており、民泊の業界地図も変わりつつあります。

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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