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お世話になった大家さんを訪ねたら…

パリのアパートを出る日に起きた予想外のトラブル(2/2ページ)

桑田 唯桑田 唯

2016/02/16

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敷金の返還と鍵の返却

私が退去を申し出たのが月の半ばだったので、そのちょうど2カ月後、翌々月の半ばに契約が切れることになりました。そのため、契約が切れる日までの1カ月半分の家賃を支払えばいいということになり、敷金2カ月分のうち半月分を返還してもらうことになりました。

契約上、敷金は、本来は退去してから2カ月以内に振込などで返却されることになっているのですが、とてもありがたいことに、私の大家さんは、退去する日までに現金で用意してくれると申し出てくれました。

ところが、「用意ができたら連絡する」と言われたので連絡を待っていたのですが、いつになっても大家さんからは連絡がありません。退去日当日に返金してもらえるのかと思いながら、帰国準備の慌しさにあっという間に時間が過ぎてしまい、結局、連絡は来ないまま退去当日を迎えました。

電気の契約解約や掃除、荷造りをすませ、同じアパート内に住む大家さんの部屋へ伺うと、そこにいたのは大家さんの奥さんだけ。大家さんは、午後にならないと戻って来ないというのです。
 
このときもまだ大家さんを信じていた私は、「出発する時間も伝えておけばよかった」と反省しながら、部屋の鍵を奥さんに返しました。敷金に関しては、日本に帰国するまでフランスの銀行口座を開けている予定だったので、そこへの振り込みをお願いすると同時に、大家さんには手紙を書いて奥さんから渡してもらうことにしました。

退去日の勘違い

こうして私はアパートを出て、空港へ向かいました。すると移動中、大家さんから電話がかかってきたのです。話を聞いてみると、なんと「私の退去日はもう1日後だと書面に書いてあった。だからその予定で準備していたんだよ」というではありませんか。

「そんなはずはない!」と思いながらも、「本当ですか?」と聞いたのですが、「確かにそう書いてあった」と強気な大家さん。移動中の大荷物のせいで、その場で書類のコピーを確認することができなかった私は、もやもやしながらもとりあえず、「すみません」と謝りました。幸い大家さんは怒っていたわけではなく、とても穏やかに話は進み、敷金も振り込んでもらえることになりました。

しかし、「退去日が間違っていた」という大家さんの言い分がどうしても信じられず、帰国してから書類のコピーを見たところ…。やはり、きちんと正しい帰国日が書いてありました。間違っていたのは大家さんのほうだったのです。

私は思わず「合ってるじゃん!!!」と声に出してツッコミを入れました。いったい、大家さんのあの自信はどこからきていたのでしょうか…。
 
何はともあれ、穏便にすんだのでよかったと自分を納得させましたが、フランスの銀行口座を閉じるのを帰国後にしていたことで助かりました。もしも講座を閉じた後だったら少し面倒なことになっていたかもしれません。

やはりフランスでは何事も一筋縄ではいきませんね。「物事は絶対に予定通りには進まない」という前提で動くくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

大切なことは何度も確認しておくことをおすすめします。退去する際は、書面で日程を伝えつつ、退去日が近づいたらもう一度口頭や電話などで念押ししておくくらいの必要がありそうです。

 

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この記事を書いた人

インテリアコーディネーター

大学時代に建築を学び、雑貨バイヤーなどを経てインテリアコーディネーターの資格を取得。海外のインテリアや家具、その国ごとのライフスタイルや歴史に興味を持ち探求中。ワーキングホリデーでパリに滞在する。理想の住まいは、木や石などの自然な素材で作られた、秘密基地のような家。

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