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【セカンドライフを愉しむ】神社仏閣から祇園まで、京都の節分は伝統行事を身近に感じるワンダーランド

奥村 彰太郎

2021/02/09

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写真/奥村 彰太郎

125年ぶり 今年の節分は2月2日

節分は立春の前日で旧暦の大晦日に当たる日。例年は2月3日だが、今年は124年ぶりに2日が節分だった。古代中国で大晦日に行われた邪気払いの行事が日本に伝わり、平安時代の宮中で厄を祓い清める行事となり、その後「豆撒き」として庶民に広まったとのこと。

京都は伝統的な節分行事が盛んだ。

御所の四方の表鬼門にあたる北東の「吉田神社」、南東の「八坂神社」、裏鬼門にあたる南西の「壬生寺(みぶでら)」、そして北西の「北野天満宮」の4つの神社仏閣をお参りする「四方(よも)参り」という風習が残っている。

今年はコロナ禍で「豆撒き」など多人数が集まる節分行事がすべて中止になったが、疫病を目がけて豆を撒き悪霊退散を願いたいところだが残念だ。

今回は京都で、これまで見てきた節分行事を紹介したい。

神楽のような吉田神社の節分祭

吉田神社の節分祭は室町時代から続く伝統行事。参道には多くの露店が並び参拝客で賑う。

節分祭の間だけ授与される魔除けのご利益が得られるという梔子(くちなし)色のお札を求めて参拝に来られる。また、協賛各社の賞品が当たる「抽選券付き厄除福豆」が販売され、参拝者の楽しみのひとつになっている。

夜になると神社の舞殿の周りで追儺(ついな)式が行われる。豆撒きではなく神事として鬼を追い払う儀式だ。松明の炎に照らされて、青鬼、赤鬼、黄鬼の三匹の鬼が登場。

方相氏(ほうそうし)と呼ばれる役目の呪師が、黄金の四つ目の仮面をかぶり、黒い衣に朱の裳(も)という腰巻を着け、大音声を発して矛と盾で鬼を追い払う。


吉田神社 矛と盾を持つ方相氏

まるで神楽のような追儺の儀式に、古の人々の厄除けを願う思いが感じられた。

舞妓さんの踊りも楽しめる八坂神社の節分祭

八坂神社では「祇園さんの節分祭」として親しまれている。花街の舞妓さんの「奉納舞踊」と「豆撒き」が行われ、舞妓さんたちが舞殿で舞を披露したあと、男衆と一緒に豆撒きが行われる。


八坂神社節分祭

舞妓さんの華やかな舞台だけに多くの見物人やカメラマンでごった返し、豆をキャッチするのは至難の業だ。残念ながら私は撒かれた豆を取ることができず、境内で福豆を購入、福引券が付いていて景品として日本酒が当たった。

豆撒きの演出も面白い盧山寺の節分会

御所の東側に位置する盧山寺は、紫式部ゆかりの寺。紫式部が暮らし源氏物語を執筆した地とされている。節分には「鬼法楽」という鬼踊りや豆撒き、「鬼のお加持」という行事が行われる。


盧山寺節分会 鬼のお加持

「鬼のお加持」とは、病気平癒や身体健全をはかるため、参拝者が次々と邪気払いした鬼に身体の悪いところを加護してもらう。

法螺貝が吹き鳴らされる中、松明と宝剣を持った赤鬼、大斧を持った青鬼、大槌を持った黒鬼が境内の特設舞台に現れ、踊りながら堂内に入る。堂内で行われている厄除けの護摩祈祷を邪魔するが、撒かれる蓬莱豆と福餅の威力によって逃げ去るといった物語が展開される。


盧山寺節分会 赤鬼


盧山寺節分会 青鬼


盧山寺節分会 黒鬼

蓬莱豆は、大豆の外側を砂糖で固めた紅白の豆。この豆を紅白一粒ずつ食べると寿命が延びるといわれている。私も紅白の蓬莱豆をいただき、長生きできそうな気分になった。

鬼は払うのでは改心させる聖護院の節分会

聖護院は山岳信仰の修験道の寺。役行者(えんのぎょうじゃ)が開祖とする山伏の寺。聖護院一帯は聖護院大根や八つ橋の発祥の地。節分の追儺式には、暴れた赤鬼、青鬼、黄鬼が豆撒きによって観念し、最後は鬼も一緒に豆を撒くという珍しい行事である。


聖護院節分会 鬼も一緒に豆撒き

鬼を倒すのではなく、改心させて共に生きるという考えに共感を覚える。

豆撒きが終わると、山伏が集まり厄除け開運の大護摩供を行う。境内に檜葉の護摩壇が作られ、山伏によって点火され、ものすごい煙や炎が立ち上る中で読経が続き、参拝者の願いが込められた護摩木が、山伏によって次々と投げ込まれる。


聖護院節分会 護摩供

芸妓さん、祇園のホステスさんの仮装が楽しい「節分おばけ」

京都の節分には「おばけ」という庶民の風習があった。普段と異なる仮装をして鬼の目を騙し、鬼をやり過ごして神社仏閣を周り厄払いするそうだ。現在では、花街の芸妓さんや祇園のホステスさんたちが、節分には様々な仮装をして、お客を喜ばすイベントになっている。売れっ子の芸妓さんたちは、一晩に数多くのお座敷を廻るため、仮装をして短時間で演じられる出し物を考え、普段とは違う芸で楽しませてくれる。


節分おばけ

また、「ひょっとこ」や「おかめ」の面をかぶった集団が、祇園の花見小路などに出没し、踊りを披露しながら練り歩く。突然現れた行列に観光客は驚いたり喜んだりと盛り上がる。

京都の節分行事は多くの神社仏閣で行われているので、全てを見ようと思うとまだ何年もかかりそうだ。今年はコロナ禍で「豆撒き」などの行事が中止になり、寂しい節分になったが、来年の節分行事が盛大に行われることを祈りたい。

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラー

1953年東京生まれ、東京都立大学卒業、株式会社リクルートに入社。進学や住宅の情報誌の営業や企画・人事・総務などの管理職を務め、1995年マネー情報誌『あるじゃん』を創刊。発行人を務めた後、2004 年 ファイナンシャル・プランナー&キャリア・カウンセラーの資格を活かし、“キャリアとお金”のアドバイザーとして独立。企業研修の講師や個別相談を中心に活動中。大学の非常勤講師も務める。東京と京都のデュアルライフを実践中。

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