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「室温」のジェネレーションギャップ(2/2ページ)

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懸念材料は光熱費

当レポートの分析は、とてもシンプルだ。

・上の年代ほど、家が暑い、寒いというのは当然だという考え
・同じく、家の中に室温差があることは当たり前だという考え

これらが定着しているとみられる、となっている。身も蓋もない結論だが、ほぼ正解と言えるのではないだろうか。

ちなみに以上の不安・心配、不満・ストレスについて、今回調査対象となった皆さんが具体的に何についてそう感じているのか、それぞれのTOP3を以下に掲げておこう。

なお今回のリリースでは、これらにつきそれぞれ5位までがパーセンテージも含めて紹介されている。当記事末尾のリンク先にて、ぜひ内容を確かめられたい。

「夏の(自宅の室温に関する)不安・心配」
1位「光熱費」
2位「屋内での熱中症」
3位「あせもなどの肌荒れ」

「夏の(〃)不満・ストレス」
1位「寝苦しさ」
2位「帰宅時の玄関・室内の暑さ」
3位「入浴後のドライヤー」

「冬の(〃)不安・心配」
1位「光熱費」
2位「風邪」
3位「湯冷め」

「冬の(〃)不満・ストレス」
1位「起床時の寒さ」
2位「部屋間の移動」
3位「結露」

ご覧のとおり、夏、冬、それぞれの「不安・心配」のトップは、そろって光熱費となっている。一方、「不満・ストレス」のトップは、いずれも睡眠に関わるものとなっている。

若年層は快適な室温に慣れている?

ところでさきほど紹介した、自宅での夏・冬の「不安・心配」「不満・ストレス」についての年代別データだが、ここで示された世代間の差について、賃貸住宅を経営するオーナーはぜひ注目をしておくべきだろう。

なぜなら住宅の熱環境もまた、賃貸経営でよくいわれるところのジェネレーションギャップが表れやすいひとつだからだ。

例えば現在50代あたりの世代でいえば、自分たちが20代の頃に住んでいた賃貸住宅と同じ仕様の建物がいまも市場にはたくさん残っているのを目にすることができる。

さらに60代以上ともなれば、それらが比較的新しい建物にみえてしまうこともある。自らが暮らした6畳間・共同炊事場付きの下宿アパートでの思い出などと比べたりもするからだ。

ところが一方で、いまどき賃貸住宅市場に新たに顧客デビューしてくる世代といえば、もはや彼らは「21世紀の家で育った」人々となる。

高断熱・高気密・遮熱性にすぐれた近年の住宅環境につき、これを当たり前の家だと感じる入居者層が、全員ではないが年々割合を増していくこととなるかたちだ。

そのため、50代のオーナーが青春時代を過ごした、アルミサッシ1枚窓、まともな断熱施工もされていない木造ワンルームなどに、これら「21世紀世代」が入居すれば、彼らはいわば苦行を強いられることになる。

夏の暑さ、冬の寒さ、ともに身体を直撃。結露もし放題、カビも生え放題……

そんな、成長過程では経験し得なかった過酷な環境に驚き、入居が長続きしない例も、当然増えてくるものとみるべきだろう。

今回の株式会社ヒノキヤグループの調査結果は、下記リンク先にてご確認いただける。

「室温への不満やストレスを感じる場所」についてのランキングなど、当記事にて紹介していない項目についてもぜひ目を通してみてほしい。

ヒノキヤグループ、室温に関する調査を実施 一戸建て居住者は1年中“暑さ”“寒さ”に耐えながら生活

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