花粉症対策 6つのポイント (2/3ページ)
加藤 美奈子
2020/02/27
また、最近では花粉症の症状が年々悪化し、治りにくい、または長引くと時々耳にします。
いまや「国民病」といえる花粉症/123RF
その理由のひとつめは、戦後大量に木を伐採したため、そのあと植樹したスギが65年を経過し大きくなり、花粉の量が最高に落ちてくる時期なので症状が悪化しています。ふたつめは、大気汚染(二酸化窒素、硝酸塩など)が花粉とぶつかり、気管支の肺胞まで入りやすいサイズになるため症状が悪化します。特に都心部にその傾向があるようです(埼玉大学大学院理工学部研究科による)。
花粉症罹患者に今後大きな負担?
2019年8月23日、大きなニュースがありました。健康保険組合連合会は市販薬で代替できる花粉症の治療薬を、保健適用から除外、もしくは自己負担率の引き上げを進めるべきという政策提言を発表しました。もし保険適用から除外ということになれば、約600億円の医療費削減が可能になるとのことです。しかし、花粉症罹患者にとっては家計への大きな負担となります。
また、パナソニックの「社会人の花粉症に関する調査」によると、花粉症を患う社会人の約8割が、花粉症の症状が仕事のパフォーマンス低下に影響を及ぼしているとし、その経済損失額は1日あたりで「約2215億円」に相当すると発表しています。このように花粉症が及ぼす影響は、人体にも経済的にも計り知れないものとなっています。
出典/パナソニック 「社会人の花粉症に関する調査」(2020年2月) ――花粉症の影響による、仕事のパフォーマンス低下を感じる時間について
この記事を書いた人
春日井環境アレルギー対策センター 代表
子どもがアレルギー起因の喘息で入退院を繰り返した経験から、2011年にアレルギーをもつ子どもの育児をサポートする任意団体を設立。2018年、春日井環境アレルギー対策センターを設立し、健康住宅建築や既存建築物の空気質測定、室内空気環境品質検査認証などを中心に事業展開。アレルギー患者を一人でも減らすべく日々活動している。資格:看護師、環境アレルギーアドバイザー、シックハウス診断士