#09 ハワイ不動産投資事情(2/3ページ)
中野亜紀
2019/06/15
キャピタルゲイン
先の中間価格帯の推移をみても分かるように、ホノルルの不動産価格は右肩上がりで推移しているので、不動産を複数年所有し売却すれば利益が出るという状態が続いていました。とくに2008年後半から2013年後半まで$1=100円を切る時代(2011年は一時76円台もありました)が続いていたので、その頃購入し近年売却した日本人は、為替益も得られた方が多くいます。
ここ数年は新築ラッシュが続いています。新築物件は完成の2、3年前から販売が開始されることが多く、20%程度の頭金を振込んでおけば、残金は完成前に振込めばよいので、引き渡しと同時に売り出しをしてキャピタルゲインを得るという方もいました。ただし、すべての物件が上がるというわけではありませんので物件選択は重要です。
インカムゲイン
ハワイの物件は建物の管理費や固定資産税、貸し出し業務を依頼する不動産会社の手数料も高いため、日本の投資物件に比べると利回りは決して高くなく、実質3%回ればかなり良い方と言われています。
日本人に人気なのが、ハワイに来た時だけ物件を使用し、使わない間は貸し出して収入を得るというホテルコンドです。しかし、高級ホテルコンドほどそのクオリティを維持するための経費がかかり、実際の手取収入はあまり見込めません。インカムゲインを考えるのであれば、ワイキキバニヤンやワイキキサンセットなど比較的エコノミータイプのホテルコンドがお勧めです。
またイリカイホテルやパシフィックモナークのような家賃保証のあるホテルコンドも人気です。自己使用を想定しない場合、長期賃貸物件として貸し出すのが収入も安定し、利回りも高くなります。さらに6ヵ月以上の長期賃貸物件の固定資産税は居住用物件扱いとなり税率が低くなります。日本のように明確な引っ越しシーズンや繁忙期・閑散期がないので、ワイキキ・アラモアナ地区で適正な家賃相場であれば、タイミングによって1ヵ月程度空室になることはあっても、2ヵ月以上テナントがつかないことはまずありません。
この記事を書いた人
東京都出身。2000年8月から一人娘とともにハワイへ移住。2005年ハワイ大学経営学部会計学科卒業後、ハワイの日系不動産会社に勤務しハワイ州不動産免許(後にブローカーライセンス)を取得。2013年、雇用による永住権を取得し、現在は不動産投資・開発・管理・売買・商業物件・バケーションレンタル等扱う現地総合不動産会社“リアルセレクトインターナショナル”で、日本人顧客の居住用不動産売買を担当。https://www.realselectintl.com/