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空き家対策――家族のカタチと高齢化

小樽、イタリアに見る地域の積極活用で見えてくるもの(2/3ページ)

川久保文佳川久保文佳

2018/11/01

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イタリアの小さな町の取り組み

空き家については、各地域でタダでも引き取ってほしいという家主がいる一方で、売れない土地や家屋に対しては各自治体も消極的で、受け取りを断られるケースも多くあるようです。

そんななかで海外では興味深い取り組みが行われています。その1つがイタリアのオッロラーイという地中海に浮かぶサルデーニャ島の山間部にある小さな町は、過疎化対策で、1ユーロで家を販売するという政策を用いています。メディアなどで取り上げられ、注目を集めています。過疎によるゴーストタウン化を防ぐために購入者が3年以上家の修復に関わるという条件付きで老朽化した家が販売されています。誰も住んでいない家が200戸以上もあるというこの地域で、デザイナーや音楽関係者などの文化人が増え始めていると聞きます。

日本では、2015年に施行された空き家対策特別措置法によって、朽ち果てた崩壊寸前の空き家の処分が可能になりました。ただ、持ち主が特定できない空き家の手続き、書類作成費用や解体費用の負担があり、なかなか進んでいないようです。中には解体費用を一部負担するなどの積極的な自治体もあります。各自治体では、空き家に対する有識者会議が行われ、空き家バンク登録が行われてきています。次には活用したくなるような施策が必要だと思われます。

東京都世田谷区では地域で空き家を積極的に活用できるように、勉強会やミーティングなどを積極的に行っています。11月には空き家に関するセミナーの開催が決まっています。地域に住んでいる人が地元で活動をし、外からも支援を得ていくという取り組みが少しずつ形になっているように思います。実際に活動している方々には自分の時間を惜しみなく地域の為に使っているなど、素晴らしい活動をしている方々も多くいます。

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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