最大震度7、北海道胆振東部地震、その時民泊は(2/3ページ)
川久保文佳
2018/10/02
今回は、北海道の住宅宿泊事業法の管理業者を取材しました。
管理業者の話によると、民泊新法施行後の災害対策や安全対策の事例もまだ少ない中で、運用代行の管理事業者が旅行者ひとりひとりに声がけを行い、恐怖を取り除いていったそうです。北海道で運用の住宅宿泊事業法の管理業を行う「アイカンシャ」の長谷川幸郎代表にお話を聞いたところ、即時、災害対策に動いたそうです。
被害が多く報告されている札幌市清田区に事務所を構える同社は、自社の混乱よりもゲストの身を案じ、翌早朝に管理している全物件に宿泊しているすべてのゲストに連絡を取り、無事の確認や被害の状況を聞き、安全対策について連絡し、サポート。他施設から締め出されたゲストも誘導し、空いている部屋の提供を行ったそうです。さらに、余震が収束し、地震発生直後の混乱が一段落したあとも飛行機が運航しない状況があったため、災害時にゲストが宿泊している物件の全オーナーに連絡を取り、延泊のサービスを全室で行い飛行機が運航するまでの2-3日、安心してそのまま泊まっていただける手段を断行したとのこと。ゲストも災害の恐怖は経験したものの、その後の処置について感銘して頂いたそうです。
民泊で必要な非常時の備えについて
緊急事態が起きたときにこそ、災害対策をしっかりと考えたいところです。旅館・ホテル業同様、水害や地震のハザードマップはもちろん、非常時の避難経路や誘導表示、災害時における防災リック、水や食料品の確保も含めて、どのような対策が必要かという事を考えておく必要があります。さらに緊急時の緊急連絡先や急病に際しての近くの救急医療機関など、災害時ガイドを用意する必要を感じます。
しかし、まだ、十分な備えをしている民泊は少なく、緊急災害やテロ対策も含めて、2020年のオリンピックに向けて、事業者の意識を高めていくことが、大切です。
この記事を書いた人
一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事
一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。