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フルローン、オーバーローンのリスクとは?

頭金ゼロで不動産投資を始めた人の末路(3/3ページ)

工藤 崇工藤 崇

2016/12/01

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頭金ゼロで不動産投資を始めた人の末路とは?

もちろん、すべての不動産投資が十分な利回りを想定できるものではありません。そもそもリスクの高い不動産投資において、自己資金を準備しないフルローンやオーバーローンはとても危険性の高い投資行為です。
勢いでフルローンを借り入れてしまったがために、居住用の自宅を売却したり、大きな借入額を遺したりといった末路も。

金融緩和で融資基準が緩くなったため、融資を受けやすくなったサラリーマンや公務員が新たに不動産投資を始めるというケースが非常に多くなっています。不動産投資というと、「不労所得」というイメージがあり、収益物件を購入さえすれば儲かると考えてしまう人が多いためでしょうか。

しかし、不動産投資は「賃貸経営」という事業でもあります。普通のビジネスであれば、投資を決めるには慎重に事業計画を策定して、リスクを考えた上で判断をするはずですが、不動産投資となるとそれが「事業である」という考え方をもたないまま投資を決めてしまう人が多いように感じられます。

そのため、安易に借り入れをして不動産投資を始めてしまい、結局は破産してしまうという人が後を絶ちません。

なかには、ご主人が自身のみの判断でオーバーローンを借り入れ、十分な返済ができないままに死亡し、子どもたちが債権を引き継ぐというケースもあるようです。十分な計画と分析をもってすれば不動産投資はハイリターンも期待できる投資方法ですが、そうではない場合は家族2代に続く負債の相続にもなるハイリスクの資産運用でもあります。

そのためには利回りが「絵に描いた餅」にならないように、物件の収益性を入念に分析して投資判断を下すことが大切です。
空室率や金利といった条件は、かなり厳しいものに設定してシミュレーションを重ねることが必要でしょう。

当然ですが、不動産会社は不動産を売ること、金融機関はお金を貸すことが目的です。購入者のことを考えるモラルを有してはいますが、そこは同時に「ノルマ」があることも事実です。不動産会社や金融機関の言うことを鵜呑みにしてはいけません。
もし、経営者が自分で考え、判断することなく、取引先のいうがままに経営をしていたら、その会社がどうなってしまうのか、考えるまでもないでしょう。

不動産投資を成功させるには経験も必要です。そこで、不動産投資の「仲間」をつくることをおすすめします。

実際に不動産投資家のコミュニティや不動産投資の成功者と友人になることによって、利用者目線に立ったリスクの分析や、購入のGoサインを出すタイミング等を学ぶことができます。
ときにはアドバイスを受けながら、そのなかで経験を積んでいくことをおすすめします。

 

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この記事を書いた人

株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO

1982年北海道生まれ。北海学園大学法学部卒業後に上京し、資格試験予備校、不動産会社、建築会社を経て、2016年6月にFintechインキュベーション「FINOLAB」入居。翌月に株式会社FP-MYSを設立。 ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいと考える個人、FP領域を活用して、Fintechビジネスを開始、発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。執筆実績多数。

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